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屈強なアイルランドを翻弄したグリーズマンのしなやかさ。フランスに勝利を呼び込んだジルーとの2つの連携

フットボールチャンネル 6/27(月) 11:10配信

今大会のEUROホスト国フランスはベスト16でアイルランドと対戦した。前半開始早々にPKで先生を許したものの、結果的には2-1と勝利を収め、ベスト8へと駒を進めた。逆転勝ちを収めたポイントは前線で躍動した2人の選手の連携だった。(文:今関飛駒)

アイルランドとフランス。6年前の因縁の対決

 フランス対アイルランド。決勝トーナメント1回戦でこの組み合わせが決まった時、多くのサポーターは2つのことが頭をよぎったことだろう。

 1つはこのカードは過去に歴史的事件を巻き起こし大きな議論を呼んだことだ。2010年W杯欧州予選プレーオフで、ティエリ・アンリの“神の手”がウィリアム・ギャラスのゴールを呼び、これがアイルランドの8年ぶりとなるW杯出場を阻んだのである。

 そしてもう1つは開催国のフランスが当然のようにアイルランドを下してベスト8に駒を進めるだろうということである。

 大手ブックメーカー『スポーティング・ベット』では、フランスの勝利は1.5倍だったのに対し、アイルランドの勝利は9.0倍だったことから、大半のサポーターはフランスの勝利を予想していたことがわかる。

 試合はフランスが2-1の勝利。フランスの勝利に賭けていた人はわずかな配当金を受け取ることになったが、試合を振り返ればフランスが楽々と突破したわけではいないことは一目瞭然だ。

 開始2分、フランスはアイルランドがキックオフと同時に仕掛けてきた猛攻に守備の対応で後手を踏み、ポール・ポグバがシェーン・ロングをエリア内で倒してPKを献上してしまう。

 ポグバが前半に犯したファウルはこの1度だけだったが、このPKをロビー・ブレイディが決めてアイルランドが先制した。ちなみにフランスがEURO本大会において開始2分で失点したのは1980年イタリア大会以来のことである。

流れを変えたデシャン監督の決断

 後半からディディエ・デシャン監督はイエローカードを受けていたエンゴロ・カンテを下げてキングスレー・コマンを投入。前半の4-3-3からアントワーヌ・グリーズマンをトップ下に据える4-2-3-1にシステムを変更した。
 
 すると、この采配が勝利を呼んだ。前半はアイルランドの中盤のハードワークに苦戦を強いられたフランスだったが、システム変更によって自由を得たグリーズマンが2得点を決めて試合を決定づけた。

 前半のグリーズマンはボールタッチも少なく、右サイド寄りでボールを受けるシーンが多かった。パス本数は20本だったのに対して後半は37本にまで増えたように、トップ下に移動してからはピッチ全体でボールを触ることができ、タッチ数も必然的に増えた。

 特に、1トップのオリヴィエ・ジルーと見せた2つのコンビネーションが試合を大きく動かした。

 1つは決勝点となった2点目のシーン。ロングボールを引き出したジルーがDF2人を引き付けてスペースを作り出し、そこにヘディングで上手くボールを落としてグリーズマンのゴールを演出した。

 もう1つはシェーン・ダフィを退場に追い込んだシーンだ。カウンターでジルーを経由してボールを受けたグリーズマンがドリブルで仕掛けると、ダフィがたまらずファウルを犯してレッドカードを提示された。

 ジルーがゴール前でパスを成功させたのは前後半それぞれ3本ずつ。しかし、後半はそのうち2本がグリーズマンに渡って決定的なシーンを作り出している。

 アイルランドは攻撃でも守備でも屈強なフィジカルを活かしてフランスを困難に追い込んだが、後半にグリーズマンが見せたしなやかさがアイルランドを翻弄して勝利を導いたのだった。

(文:今関飛駒)

【了】

フットボールチャンネル

最終更新:6/27(月) 11:19

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