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頼りにしていた英国が!ショックを受けるフランス

JBpress 6/27(月) 6:10配信

 英国の国民はEU離脱を選んだ。EU諸国の中で特に衝撃を受けているのがフランスだ。今後、英国とフランスの関係は厳しく緊張感のあるものになっていくかもしれない。

■ 「EUから離脱しても拠出金を払え」とフランス

 「6月28日のEU首脳会議では、英国に対して強硬な態度で臨む。フランスは絶対に妥協しないだろう。首脳会議では、英国が離脱しようが残留しようが、オランド大統領はこの点を強く主張する」

 英国の国民投票の直前に、フランスのマクロン仏経済・産業・デジタル相は仏主要紙「ルモンド」(6月18日付け)との会見で、英国がEUから離脱しようが残留しようが英仏関係は厳しくなるとの見方を示していた。

 EUの運営予算をまかなうため、EU加盟国はそれぞれ分担拠出金を払っている。「EU離脱派」が離脱を求める理由の1つとして挙げていたのが、「英国は高額な拠出金を払っているのに、相応の見返りを得られていない」ことだ。

 だが、フランスのオランド政権は、英国はEUを離脱してもこれまでと同様に拠出金を払うべきだという考えだった。

 非EU加盟国のノルウェーやスイスは、EU市場と取引する際に拠出金を支払っている。マクロンは、「英国がEU離脱後もヨーロッパ市場に引き続関与したいのなら、ノルウェーやスイスのように拠出金を払ってEUの予算に貢献するべきだ。もし拒否するなら、英国は完全に(欧州市場から)離脱することになる」と語った。

 また、マクロンは、英国海峡の小島ガーンジー島を例に挙げ、「EU離脱なら英国はガーンジー島化し、ちっぽけな国になるだろう」と指摘していた。英国が取るに足らない小国に転落するという警告である。

■ 百年戦争は今も続いている? 

 海峡を挟んで隣接する英国とフランスは、常に微妙な関係にある。両国は互いに対抗心があり、ジャンヌ・ダルクが「救国の乙女」として活躍した「英仏百年戦争」(1334~1453年)は現在も続いていると言っても過言ではない。

 欧州統合の牽引役を自負するフランスと、EUに懐疑的な英国は、EUの政策を巡って何度か対立してきた。

 特にEU内の農産物の価格統制や保護・補償を基本政策とする「共通農業政策」(CAP)を巡って、英国は「フランスが恩恵を受けすぎている」と批判してきた。1970年代まではEU予算の約70%がCAPに充てられていた。2005年以降は44%まで減少しているが、「フランスは拠出金より受け取る補助金の方が多く、CAPを最大限に利用している」というのが英国の指摘である。

 1994年に英仏海峡にトンネルが開通した時も、両国の反応は正反対だった。フランスが「ナポレオン時代からの200年来の夢が実現した」と官民一体で祝賀ムードだったのに対し、英国は「(フランスから)ネズミが押し寄せてくる」「ニンニクの匂いが漂ってくる(仏料理はニンニクを多用しないが)」と拒否反応を示すムードだった。EU離脱派も、「中東やアフリカから大量の難民が英仏海峡のトンネルを渡ってやって来る」と脅威を煽り立てていた。

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最終更新:6/27(月) 6:10

JBpress

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