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優美な味わいはまるで京菓子のよう 京都のウィーン菓子専門店

CREA WEB 6/27(月) 12:01配信

 京都市内で一番長い商店街といわれる新大宮商店街にウィーン菓子のお店「マウジー」はあります。目印は、ウィーンを象徴する鮮やかな黄色のテントと、グリーンがあふれる外観。

 店内にはウィーンにまつわる小物が色々置かれており、壁は「テレジアン・イエロー」とも呼ばれる華やかな黄色。お菓子がずらりと並ぶショーケースの奥にある厨房では、月に1回ほどウィーン菓子の教室も開かれます。

 お菓子を作るのはオーナーでもある三好由美子さん。元々、お菓子作りが趣味で、オーストリア菓子やドイツ菓子に興味を持ち、「現地にいかなくてはと思い立ってドイツ語を習い、気がついたら飛行機に乗っていて、ウィーンにいたんです」と笑います。

 憧れだった有名店「ハイナー」と「オバラー」で修業し、イタリアでデザートを学んだりもした後、1994年に帰国。神戸や阪神間で、お菓子教室や予約販売を行なってきました。「ウィーンに似ている」と選んだ京都で自店をオープンしたのは2003年。

「お菓子は文化の一部。ウィーン菓子を知ってもらいたい」と三好さんは伝統のウィーン菓子をていねいに作り続けています。「材料はできるだけ日本のものを使います。レシピは自分なりに色々工夫していますが、お客様は日本の流行とは異なる独自の味だと言ってくださいます」

ザッハトルテのバースデーケーキもかわいい!

 ウィーン菓子の代表といえば「ザッハトルテ」。オーストリアの政治家メッテルニヒの料理人、フランツ・ザッハが1832年に考案したといわれています。

 チョコレート生地にアンズのジャムを塗って、表面をチョコレート入りのフォンダン(糖衣)でコーティング。“チョコレートケーキの王様”として世界各地で作られています。

 三好さんもオリジナルのレシピで作っているのだそう。泡立てた生クリームを添えて食べます。きめ細かでまろやかなしっとりした生地で、チョコレートの豊かな風味にうっとりします。上品で優雅な味わい。

「これをアレンジしたバースデーケーキがとても好評なんですよ。子供さんも大好き」と三好さんはにっこり。

「カルディナルシュニッテン」は、メレンゲと卵黄の生地を交互に絞って焼いた軽い生地でコーヒー風味のクリームをサンド。ウィーンではポピュラーなお菓子。カーディナルとは、カトリック教会で教皇の最高顧問・枢機卿のこと。赤いジャムを使うのが伝統的な作り方で、カトリックの象徴である黄色と白、枢機卿の衣の赤を使っていることから、その名が付いたという説があります。

 三好さんは、カラメル味、コーヒー味、イチゴ味と、季節によってクリームで味わいを変えるのだそう。「実は、完成まで一番苦労したお菓子。バターや小麦粉は一切使っていません」。食べるとふんわり軽やかな食感で、クリームの風味が広がる優しい味わい。すうっと口の中で消えてしまうような口溶けで、ほんのりした甘さもいい感じ。

「シュヴァルツヴェルダキルシュトルテ」は、ドイツ南西部・シュヴァルツヴァルト地方の黒い森をイメージしたお菓子。特産品のサクランボとサクランボ酒・キルシュを使っています。三好さんはグリオットチェリーを使用。サクランボとお酒、チョコの風味が一体となった深い味わいです。

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最終更新:6/27(月) 12:01

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