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あなたを育てた「地元の味」、覚えていますか?

JBpress 6/28(火) 6:10配信

 地域をアピールし活性化しようとしたとき、その地域の名産品に着目するのは自然な流れだ。道の駅などでは、所狭しと、その地域の特産品が、旅行者がお土産にと、手に取ってくれるのを並んで待っている。

「アサヒ 十六茶 ご当地素材ブレンド」の写真

 また、2011年の東日本大震災や今年の熊本地震でも、被災地の特産品や食材を積極的に購入する「食べて応援」という合言葉が使われていた。特産品の生産は、地元を支える産業でもあり、一種のアイデンティティともいえるだろう。

 さて、ここで振り返ってみよう。あなたは、自分の地元の特産品や食材をきちんと知っているだろうか。たとえば3つ、挙げられるだろうか。そうしたら、今度は、それらの食材をどれくらいの頻度で口にしているか思い出してほしい。この1週間で、それらにどれくらい触れただろうか。

 長年その地域に住んでいる人でも、意外と日常的に口にしている人は少ないのではないだろうか。何か機会があれば食べるという人も、日常的に食べようとなると、少し身構えてしまうだろう。

 しかし、もし子供の頃に、その特産品を食べて育ったのであれば、いま食べたとしても、ある種の懐かしさや安心感を覚えるはずだ。もしも、その味に地域で共感を覚える人が多くいるなら、それがその地域の「好みの味」ということになるだろう。

 そんな地域ごとの味の嗜好性を調査し、素材選びや味作りに活用する商品開発を行った会社がある。その開発の狙いや苦労などを聞いてみた。

■ ご当地素材とその味わいを生かした製品づくり

 「全国を東西に分けた場合、東が口に入れてすぐに味わいを感じらえる先味(さきあじ)系を好む傾向があり、西は口に入れてから徐々に味わいが感じられる後味(あとあじ)系を好むようです」

 そう語るのは、「アサヒ 十六茶 ご当地素材ブレンド」の担当者の、アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 統括課長の渡部友一郎さんだ。

 十六茶は、その名の通り、健康によいとされる16種類の素材からなるブレンド茶だ。今回開発された「ご当地ブレンド」は、北は北海道から南は九州・沖縄まで全国を7つの地域に分け、16素材のうちのいくつかを、それぞれの地域の特産品や嗜好性に合わせた素材に変更したものだ。

 しかも、ただ単に地域の素材を入れるだけでなく、事前にそれぞれの地域で好まれている食材や調味料を研究して、味の地域特性についても調査を行い参考にして、商品の味作りをしてきた。その中で、上で述べたような先味系・後味系の傾向、さらには甘さ・苦さを好む地域分布など、地域の嗜好性が分かってきた。

 地域の嗜好性について言えば、今回のブレンドでは、たとえば北海道から関東では先味系を、関西以西では後味系を特徴にしている。その理由について、渡部さんはこう説明する。

  「関東は醤油の文化で、関西はだしの文化です。醤油は先に香りや香ばしさがあって、時間とともに薄れていきます。逆に、だしは後ろの方に味わいの山があって、ふくよかな余韻があるとも表現されます」

 たとえば、九州・沖縄ブレンドでは、使用した特産品は、熊本県産さつまいもと、福岡県産の黒米の2種類。通常品で使われているとうもろこしをさつまいもに、発芽玄米を黒米に置き換えた。さらに通常品に含まれる桑の葉をグアバ葉に、大麦若葉をデカフェ緑茶葉に変更することで、さわやかな甘みとすっきりとした後味という、地域の嗜好性に合わせたブレンドに仕上げている。

■ ご当地素材から地元を元気に

 しかし、ただ単に地域の素材を入れればよいという簡単な話ではない。開発の際に大事にしたことを、渡部さんはこう振り返る。

 「素材の選択の軸は、地域の特産品であること、生産量があること、味に特徴があること、そして十六茶としておいしく楽しんでもらえることです。これらの条件を満たすものを7エリアでそれぞれ探すのは、結構大変でした」

 地域の素材と味を大事にしつつ、それでいて本来の十六茶の味わいも忘れない。ここがぶれてしまうと、このブレンド自体もなじみを持って飲んでもらえないだろう。

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最終更新:6/28(火) 6:10

JBpress

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