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「大人達が我々の未来を奪った」英と韓国の類似

Japan In-depth 6/29(水) 11:00配信

英国の欧州連合(EU)離脱を決定したBrexit(ブレグジット)国民投票の結果にめぐって世代間の対立が新たな政治話題で注目されている。

6月23日(現地時間)実施された国民投票の結果は離脱が51.89%、残留が48.11%と最終集計された。地域別に見ればロンドンとスコットランドなど一部の地域を除けば、多数の地域が離脱を選択したことが確実になった。

英国の日刊ガーディアンは、有権者の学歴や所得、出身地域などによって残留か、離脱かを決定したと報道したが、ここにもう一つ、有権者の年齢も国民投票の行方を決定する重要な基準だったことが明らかになった。

英国の世論調査会社が有権者12,369人の投票を分析した資料によると、18~24歳は73%、25~34歳は62%がEUの残留を支持した。しかし、45~54歳を基点として残留より離脱が増え、65歳以上では60%が離脱に投票した。また他の調査でも18~24歳の4分の3(75%)がEU残留に票を投じたことが分かった。

英国のマスコミは国民投票でEU離脱派が52%対48%で勝利したのは、世代間の対決で高年齢層が勝利したことを意味すると分析した。具体的には1946年~1965年の間に出生した「ベビーブーム世代」と1980年代から2000年代初めの出生した「ミレニアム世代」間の対決だ。人口と商品の移動が自由な「EU英国」で育った若者たちの声が、「大英帝国」に対する郷愁と反EUの情緒が強い中高年層の数的優位に封じられた、という指摘もある。

ガーディアンは選挙以降「75%の若者は何を感じたか」という見出しの記事で“大人たちがわれわれの未来を台無しにした”、“親の世代が(EUから)受けた利点を私たちは享受することができないようになった”など投票の結果に激怒した若い読者の意見が殺到していると伝えた。 米日刊ニューヨークタイムズも“今回の投票ほど、英国社会の世代間の隔たりを克明に露出した事例はなかった”と分析した。

実際にフェイスブックやツイッターなどソーシャルネットワークサービス(SNS)では英国の若者たちが衝撃を吐露する書き込みが多く掲載された。ツイッターなどにはブレグジットに参加した高年齢層に対する話を交わすハッシュタグ(#brexit_old_people)が別途できたほどだ。‘リグレジット(Regrexit)’という新造語も登場した。これは後悔するの‘Regret’と離脱の‘Exit’を合わせた言葉で、ブレグジットの決定を後悔するという意味だ。

EU離脱が若者たちの大規模な失業につながる可能性があるという指摘などが彼たちに共感を得たから離脱に力を与えた中高年層に対する反感につながったと専門家らは言う。

一方、 ブレグジット投票結果を見て“デジャビュ”だという韓国の若者も多かった。 50代以上の支持層が厚い、政権党(セヌリ党)の大統領選の勝利が英国国民のブレグジットの決定と似しているという主張が提起されたためだ。この主張は2012年の大統領選で、セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)候補と文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党(現ダブルオ民主党)候補が戦った対決を思い出しながら「私たちが4年前に感じていた挫折を英国の若い彼らも感じている」と共感しているようだ。

当時、韓国の若者たちは相対的に高い投票率(75.8%)とSNSでの雰囲気などを根拠に野党候補の文氏が当選するものと期待したが、結果は高年層が支持した朴候補の勝利だった。支持率は51.6%台48.0%。ブレグジットの国民投票と酷似していた。

選挙が行われた場所も、選挙のテーマも全く異なるが、世代によって一つの争点に対する考えがはっきり違うという点は、イギリスと韓国は同じだった。韓国の大統領選(2012年)の年齢別の支持率をみると20代は65.8%、30代は66.5%が文候補を支持したが、50代の62.5%、60代以上の72.3%が朴候補を支持した。

その時、若者たちの憤りを確認した政界は与野を問わず、世代間の対立を注目して公約を作り始めた。「すべての世代が一つになる社会」というスローガンも登場した。また2030世代の関心が高い保育や就職に焦点した法案をだす努力も傾けている。

これに若者たちが満足しているかどうかは別にして、2012年の大統領選で明確な政治的意思を見せてくれた20代、30代の有権者がいなかったら、韓国の政治は中高年層だけを優遇する、以前と同じ日々を過ごしていた可能性が高い。

離脱が既成事実化された今、英国の政治家たちもブレグジットの影響を減らすために世代間の対立を収拾すべき時ではないかと思う。さらに、18歳、19歳の有権者たちが初投票する7月10日の日本の参議院選挙でも、イギリスと韓国で見られた世代間対立が見られるか、注目されるところである。

イ・スミン(韓国大手経済誌記者)

最終更新:6/29(水) 11:00

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