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和菓子が生む芸術 老舗・とらやが描く四季

エイ出版社 6/29(水) 17:50配信

とらやがつくる五感の芸術

和菓子は舌で味わうのはもちろん、美しい姿かたちを目で、優雅な菓銘の響きを耳で、ほのかな香りを鼻で楽しみ、黒文字を使ったときの感触や舌触りを感じる。つまり五感すべてで堪能できるもの。和菓子が『五感の芸術』といわれるゆえんだ。

そんな和菓子の老舗といえば、とらや。なんと創業は室町時代後期の京都という。1980年にはパリにも店を構えるなど海外進出も早く、今や世界中の人から愛されるようになった。なかでも、季節の菓子を楽しみにしている顧客は多い。

正月、節分、雛祭、端午の節句……年中行事と和菓子は遠い昔から結びつきが深く、花びら餅やちまきなど、さまざまな菓子が生まれてきた。とらやでは、それらに加え、四季折々の情景を映した美しい上菓子もたくさんつくられている。

たとえば桜。平安時代以降、日本人は、花といえば桜のことをさすほどに、古くから愛してきた。とらやでは、小さなつぼみから満開になり、散り際に至るまでの桜のさまざまな表情を描き、多彩な味わいの菓子に仕立ててきた。ねりきり、きんとん、薯蕷(じょうよ)……桜の菓子は、干菓子も含めると約70種類にも上るという。1年のほんのひとときを大切に思う日本人の心が伝わってくる。

嗜好品を超えて、もはや芸術の域

とらやでは、毎月2回、5~6種類の生菓子がショーケースを飾る。つまり1年で130種類ほどの菓子をつくっていることになる。圧倒的な数に驚くばかりだ。中には古くから伝わる菓子見本帳に描かれた菓子もあり、先人たちの想いを今につなげている。

季節限定の羊羹だけでも、これだけの種類がある。まさに圧巻。年中行事にちなんだ意匠を凝らしたもの、四季折々の情景を表したものなど。嗜好品を超えて、もはや芸術の域。新茶や青梅など旬の素材を生かした味わいも楽しめる。

季節感のある和菓子は、四季の美しい日本ならではのもの。紅茶に洋菓子というティータイムもいいが、ときには、ていねいに淹れた日本茶とともに、四季の和菓子をゆっくりいただきたく時間ももちたい。

○問い合わせ:とらや
TEL:03(3408)4121

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最終更新:6/29(水) 17:50

エイ出版社