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不眠がちな人が試してみるべき2つの解決法

Forbes JAPAN 6/29(水) 18:30配信

いま大きな注目を集めているのが睡眠だ。睡眠は研究対象のトップ3に入っており、睡眠産業は数十億ドル規模に急成長している。



だが睡眠産業が上手くいっている一方で、私たちは十分な睡眠をとることができていない(だからこそ同産業が好調なのだが)。さまざまな統計値は一貫して、私たちは、生きていく上で食物や水に次いで重要な睡眠が足りておらず、また慢性的に中断されていることを示している。

この問題について、研究者たちは毎年、意見交換や解決策の提案を行っている。2016年は6月11~15日にかけて、コロラド州デンバーで第30回米国睡眠関係学会連合集会が開かれた。同集会では数多くの興味深い対処法が提案されたが、ここでは試す価値のある2つの方法に注目したい。

1つ目は「認知シャッフル」と呼ばれる方法。「想像力を使って眠りを誘う」睡眠アプリ、マイスリープボタン(mySleepButton)を考案した研究者たちが会議で提案した。

なかなか寝付けない時や夜中に目が覚めてしまった時、人の脳は自然と不安な考え方に傾き、それがさらに不安な考えを生むという悪循環に陥ってますます寝付けなくなる。マイスリープボタンはこのパターンを、無作為なイメージなどを使って「シャッフル」することで中断する。不眠の原因となっている不安な考え方が消え去れば、いずれ眠りが訪れる。

同アプリを開発したのが、カナダにあるサイモンブレーザー大学のルーク・ブードアン非常勤教授。ブードアン率いる研究チームでは、大学生154人を対象に認知シャッフル法の実験を行い、有益な成果が得られたという。

アプリを使わずに自力で認知シャッフルを行うことも可能だが、すぐに結果を期待してはならない。

「人間の脳は、何でも意味や理屈をつけようとする。何の助けもなしに、ランダムなイメージを呼び起こすことはとても難しい」とブードアンは言う。だから羊を数えるような方法は役に立たないのだ。
--{ベッドから出た方がいい?}--
2つ目の方法は、眠れないときにやりがちなぐずぐずした習慣を断ち、「ベッドから出る」という単純な方法だ。

だが簡単なことではない。人はより多くの睡眠をとろうとする時、ベッドの中でより長い時間を過ごすものだからだ。早寝をしたり、遅くまで寝ていたりする人もいるだろう。だが研究者によれば、どれだけベッドに横になっている時間を長くしても、睡眠の質や量は改善されない。それどころか、無意識のうちに不眠症を悪化させているのだという。

この所見を発表した、ペンシルベニア大学行動睡眠医学プログラムのマイケル・パーリス博士は、次のように指摘する。「不眠症の人は一般に、睡眠をとる機会を増やす。早寝や寝坊をしたり、昼寝をしたりする。これは合理的な方法に思えるし、短期的には効果があるだろう。だが長期的には、その人が持っている眠る能力と眠る機会とのミスマッチを生み、さらなる不眠を招くことになる」

研究者たちは、ベッドの中で過ごす時間を無理して増やすよりも、体の自然なリズムに従う方を推奨している。疲れたらベッドに行き、いったん目が覚めてすぐに寝付けなければ起きるのだ。長い目で見れば、こちらの方が質の良い睡眠につながる。

つまり、眠れない時の対処法は2つ。1つは「認知シャッフル」アプリを使うかまたは自力で、寝付けない時の悪い思考パターンを中断すること。もう1つは、必要以上にベッドの中で過ごそうとせず、疲れたらベッドに入り、目が覚めたら起きることだ。

David DiSalvo

最終更新:6/29(水) 18:30

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