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菊地成孔 X『機動戦士ガンダム』、驚きの組み合わせが実現した舞台裏に迫る

ローリングストーン日本版 6/29(水) 18:00配信

昨年12月から有料配信されていた『機動戦士ガンダム サンダーボルト』全4話に、新作カットを加えたディレクターズカット版『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』。本作で音楽を担当しているのがジャズ界の異端児、菊地成孔だ。

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今回菊地は、作品のために激烈なフリー・ジャズとドリーミーなポップスを作曲。音楽家としての多彩な才能を伝えるディープな内容となっている。これまで菊地が音楽を作っていくうえで重視してきた、"戦争と音楽"という大きなテーマともリンクする曲について話を聞いた。

―菊地さんと『ガンダム』、意外な組み合わせですね。以前、『LUPIN the Third~峰不二子という女~』(『ルパン三世』のスピンオフシリーズ)のサントラを手掛けていましたが、『ルパン三世』にはジャズのイメージがあったものの、まさか『ガンダム』とは。

最初に話を受けた時、"え!?"って2度聞きしました(笑)。『ガンダム』って一度も見たことがなくて、名前しか知らなかったんです。きっと『ガンダム』ってシリーズがいっぱいありそうだから、そのなかのひとつで"大人ガンダム"みたいなものを作るに際して、なんらかの事情でジャズがいるから話が来たんだなっていうふうに推測するしかないじゃないですか。通常の『ガンダム』のテーマを僕に書かせたい人がいたとしたら、それはちょっと変わった人なんで(笑)。で、打ち合わせをしたら、まったくその通りでした。

―『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は漫画原作のアニメ化で、劇中の設定で主人公のひとりがジャズ好きなんですよね。本は読まれたんですか?

一回目の打ち合わせの時に「まず、これを読んでくれ」って漫画原作を渡されたんです。漫画を読むのってヘタしたら40年振りくらいで、一巻の途中でコマを追いかけられなくなってきた。結局、最後まで読み切れなかったけど、とにかく大戦争の話でロボットを使って殺し合っている。そんななかで、ふたりの仇敵が闘う物語だということはわかったんです。イオとダリルという、すごい攻撃的で凶暴な男と知的で優しい男がいて、このふたりが全然違うタイプの音楽を戦争中にいつも聴いてるっていう設定なんだと。登場人物が戦争しながら音楽を聴いていて、殺戮が繰り広げられているなかで戦意高揚の音楽と現実逃避の甘い音楽とが流れるという設定はとてもいい。だから、主人公が出てくると必ずこの曲が流れるというような劇伴的な曲はやめて、主人公ふたりが聴いているiPodの中身を僕が推測してそのプレイリストを作ろうと思ったんです。曲をどういう場所で使うかは監督にお任せしようと思って、そういう提案をさせて頂きました。

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最終更新:6/29(水) 18:00

ローリングストーン日本版

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