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アマゾンが不人気のサービスを続ける理由

JBpress 6/29(水) 6:00配信

 米 アマゾン・ドットコムが米国で販売している「Dash Button(ダッシュボタン)」をご存じだろうか。

■ 新たに数十種類を追加

 これは消しゴムほどの大きさの機器で、種類がいくつもあり、本体には商品のブランド名が表示されている。

 例えば洗濯洗剤の「タイド」や、かみそり刃の「ジレット」、スポーツドリンク「ゲータレード」といった具合だ。裏側には粘着シートが付いており、洗濯機や洗面台、冷蔵庫など、家の中の様々な場所に貼り付けておける。

 そして、これら消耗品のストックがなくなってきたら、本体前面のボタンを1回押す。すると注文がアマゾンに入り、その商品が2日間で届く。

 このDash ButtonにはWi-Fiが搭載されており、家庭の無線LANを介してインターネットにつながっている。そして商品種の詳細と数量はあらかじめスマートフォン用アプリで設定しておける。

 また誤発注を防ぐ仕組みもある。

 例えば、子供がボタンを押してしまうことが考えられるが、ボタンが押されるとスマートフォンに通知が届き、30分以内であればキャンセルできる。このほか初期設定ではボタンを何度押しても商品が届くまで次の注文が入らない。

 同社がこのボタンを発表したのは昨年の3月31日。そのタイミングのせいか、当初はエイプリールのジョークだと思われたが、アマゾンは大真面目だった。

 同社はいかに消費者がパソコンやスマートフォンを使うことなく、簡単に商品を注文できるかといったことを模索している。そして今年3月31日には当初28種だったボタンの数を100種以上に増やした。

■ 消費者の反応は冷ややか

 米ウォールストリート・ジャーナルの6月27日付の記事によると、アマゾンはこの週にもさらに数十種類の新たなDash Buttonを発表する予定だ。

 しかし、このウォールストリート・ジャーナルの記事では、アマゾンの期待とは裏腹の事実を伝えている。それは、Dash Buttonに対する消費者の反応が冷ややかということ。

 同紙が引用した米調査会社スライス・インテリジェンスの調査結果によると、Dash Buttonを購入した人のうち、実際に使ったことがある人は半数以下にとどまっている。

 またこのボタンを使ったことがある人にその頻度を尋ねたところ、平均的な回答は2カ月に1度だった。Dash Buttonはディスプレーを備えておらず、変動する商品価格を確認できない機能が不便だとする消費者の意見も聞かれるという。

 それでもアマゾンがこの機器の事業拡大を続ける理由は、経済的なメリットがあるからということのようだ。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、CPG(消費財)を手がけるメーカーは1台のDash Buttonが売れるごとに、15ドルをアマゾンに支払う。さらに機器を通じて商品が売れた際には、15%の販売手数料などを同社に支払っているという。

 一方でアマゾンはこの機器を米国の有料プログラム「Prime」の会員に1台4.99ドルで販売している(ただし昨年7月から機器を使って商品を購入した人に機器の代金を払い戻している)。

 つまり同社にとってDash Buttonは手数料を稼げる機器であり、たとえ不人気であってもとりわけやめる理由がないということのようだ。

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最終更新:6/29(水) 6:00

JBpress

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