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英国のEU離脱、米国では「よくやった」の声も

JBpress 6/29(水) 6:20配信

 英国が国民投票でEU離脱を決めたことに対して、米国の一部では「英国が民主主義によって国家主権の回復を果たした」として歓迎する意見が登場し始めた。

 経済や金融の観点からだけ見るのではなく、英国があくまで独立した主権国家として自国民の意思でEU離脱を決めたことを評価し、「米国は英国と“特別な関係”を改めて強化すべきだ」と主張している。

 米国政府は英国のEU離脱には明確に反対する立場をとってきた。オバマ大統領も、英国がもし離脱する場合、米国との貿易交渉などで「行列の末尾に並ぶことになる」と警告していた。産業界でも経済界、金融界を中心に英国のEU離脱に反対する声が強かった。

 しかし一方で、この数日の間に、米国内の保守派を中心に「英国がEUを離脱したのは、むしろEUの専横や硬直性に原因がある。英国は今回の選択によって主権国家としての独立を取り戻した」と評価する声が聞かれるようになってきたのである。

 この背景にあったのは、米国のEUへの不信感だ。つまり、EUの経済政策が社会主義的な方向に動き、安全保障でも米国から離れつつあることへの不信感が米国で広まっていた。

■ 離脱は「英国の主権国家としての前進」

 米国で英国のEU離脱を歓迎あるいは支持する意見としては、以下のような実例がある。いずれもここ数日の間に公表された主張である。

 【ジョン・ボルトン氏(元国務次官)】

 <英国はEUを離脱し、米国はその離脱を支持せねばならない>
<ブレグジット(英国のEU離脱)勝利は真の大衆革命だ>
(ボストン・グローブ紙などへの寄稿論文の見出し)

 「英国は長年、EUに国家主権を譲り渡し、国際的にも自主性、自律性を弱めてきた。その衰退は米国の利益にも反する。だから米国はブレグジットを歓迎し、支持すべきだ」

 「EUが進める『共通外交安保政策』(CFSP)は、EU各国が共同の外交政策や安保政策を推し進め、新たな多極グローバル秩序の構築を目指している。CFSPは、英国と米国の連帯を弱め、北大西洋条約機構(NATO)の実効性を抑えることになる」

 「英国議会が成立させる立法の約60%は、EUの官僚機構が作成した法令を自動的に採択させられている。EUの要請と英国の要望との立法面でのギャップは、多くの英国国民に主権の喪失を感じさせてきた」

 【ジョージ・ウィル氏(有力政治評論家)】

 <歓迎すべき英国の国家的地位の復活>
(ワシントン・ポスト紙への寄稿論文の見出し)

 「英国のEU残留派は、もし離脱すれば多くの困難が英国を襲うと唱えたが、効果はなかった。EUはいまや化石のようになり、その存続自体が問われている」

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最終更新:6/29(水) 6:20

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