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五輪でどうなる?「スポーツ中継のデータ表示」最前線

R25 6/30(木) 17:59配信

8月に開催されるブラジル・リオデジャネイロ五輪。先日も、バレーボール女子日本代表が本戦出場を決める試合がテレビで中継され、お茶の間で興奮を味わった人も多いのでは?

この時のバレー中継では、アタックを決めた選手のボールのスピードなどのデータが表示されていたけど、あれって一体どうやって測ってるの? スポーツのデータ解析や配信を行う「データスタジアム」の中村暢也さんに聞いてみた!

「あのデータは、『トラッキングシステム』という技術によるものなんですよ。昨年頃からバレー以外でも、この技術を導入してスポーツ中継にデータを使うテレビ局が増えています。トラッキングシステムとは、レーダー、センサー、画像認識などを使って、試合中の選手やボールの動きをつねに追跡し、その映像を瞬時に解析するシステムです。これによって、高さや角度、走行スピードや走行距離などをデータ化できるんです」

このシステムは、もともと「データを記録してチーム力の向上や選手育成に役立てる」という目的でスポーツ現場に導入され、近年メディアに活用され始めたんだとか。では、今後スポーツ中継はどのように進化していくの?

●サーブ、シュート…球技の「速度」や「軌道」がわかる!

「例えば球技の場合、今までは野球のピッチャーの球速のように、決まった場所から繰り出されるボールの速度しか測定できなかったんです。でも、トラッキングシステムを使えば、バレーや卓球、テニスといった、コート内を動き回るボールの速度も計測できます。リオ五輪では、選手同士を比較した『サーブの速度ランキング』なんてものが表示されるかもしれませんね」

また、速度だけでなく“ボールの軌道”もデータ化できるとか!

「今年3月に行われた卓球の世界大会では、打球の軌道を追跡して『選手がどこにボールを集めているか』がわかる“ヒートマップ”を作成し、公式サイトで試験的に公開していました。これを応用して、軌道にリアルタイムで線を描けば、サッカーのシュートの軌道や、卓球のサーブの軌道などがわかりやすくなると思います」

ボールの変化がわかれば、選手の技術のすごさを実感できそう!

●3D映像でボルトを再現し、レース前に結果を予想?

球技だけではなく、陸上中継も進化するかもしれない。

「『世界陸上2015』では、各選手の歩数や加速のタイミングなどのデータを収集し、公式サイトで配信していたんですよ。選手同士の細かなデータを比較することで、『あの選手は、ウサイン・ボルトより最高速度が速いんだ』ということが、ひと目でわかるようになりました。リオ五輪では、このデータがテレビ中継にも使われるかもしれませんね。また、集めたデータをもとに、本物に限りなく近い走りをする3Dの“バーチャル選手”を作り出すことも可能です。予選の走りから各選手の3D映像を作り、決勝前に“予想レース”として戦わせる…、なんてことが実現したら面白いですね」

●心拍数がわかれば、選手の心身の状態がわかる

トラッキングシステムだけでなく、他の技術でもスポーツ中継は進化中だそう。

「昨年、バレーボールの世界大会では、選手が身体にセンサーを装着して心拍数を測り画面上に表示するという中継が行われました。視聴者は『初出場の選手だから、やっぱり緊張しているのかな?』『この選手は心拍数が上がっているから、そろそろ交代のタイミングなのでは?』など、選手の心情や疲労度を想像しながらの観戦が可能になりました。リオ五輪でも採用されれば、アーチェリー選手の緊迫感や、マラソンランナーのスタミナなどがわかって、より応援に力が入りそうですよね」

選手の“動き”だけではなく、“気持ち”や“身体の状態”までわかるってすごい! ほかにも、リオ五輪、さらにはその先の2020年の東京五輪に向けて「スポーツ中継はますます進化していくはず」と中村さん。

「『ハイブリッドキャスト』という、たくさんのデータのなかから視聴者がほしい情報だけを選んで画面に表示できるサービスや、注目選手を画面の端につねに表示できるサービスも、各テレビ局で始まってきているんですよ」

リオ五輪では、さらに詳しい“データ中継”で日本を応援しよう!

(アオキユウ/short cut)
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

最終更新:6/30(木) 17:59

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