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微妙な、しかし重要な欲求

コーチ・エィ 6/30(木) 7:40配信

エグゼクティブコーチをつける経営者には、自ら起業した人、大企業でイノベーションを実現している人、業績が悪化している企業を甦らせた人など、さまざまな方がいます。

ビジネスでの成功を手にした経営者の多くは、明るく、身も心も健康そうで、エネルギーが満ち溢れ、仕事もプライベートも充実した毎日を過ごしている印象を受けます。

しかし、成功の「光」とは別に、「影」を持っている人も多いと感じます。

仕事に邁進し、成功のステージを昇る中で、自分にとって大切な価値観や欲求を見失ってしまうという、成功の「影」の部分です。

このような成功の「影」について、カリフォルニア臨床心理学大学院の元学長で、Center for Leadership Renewalの会長ジョン・オニールは、著書『成功して不幸になる人びと』で、以下のように説明しています。

「感性に優れた創造力のある人間になりたい、心の平安を得たい、地域社会に貢献したい、自分と仕事との間に精神的な絆を見つけたいといった欲求は、基本的な欲求に比べると表に出にくいが、強さでは決して引けを取らない。出世して高い地位を得た人びとは、こうした『微妙な、しかし重要な欲求』を無視してしまうことが非常に多い(二重鍵括弧引用者)」(※)

「影」が現れる

サービス業を経営するA氏は、3年前からエグゼクティブコーチをつけています。

エグゼクティブ・コーチングを開始して、しばらくたったある日のセッション。A氏は、会社の数年後のビジョンを描いた資料について一通り説明をしてくれました。それは、とても洗練された内容で、誰が見ても、完璧だと感じるビジョンでした。

しかし、私は、Aさんの話を聞きながら、何か違和感を覚えていました。そしてその後、Aさんと私は、この“違和感”について対話を重ねていくことになりました。

Aさんは学生時代、バスケットボール部の主将でした。チームは優勝を目指せる実力があり、Aさんは主将としてチームを優勝に導きたいという強い思いを持っていました。しかし、大きな怪我をしてしまいます。長い間、試合は勿論、練習もできなくなってしまったのです。そして、チームは優勝を逃しました。

学生時代に優勝できなかったこと。

これが、Aさんの心の片隅にずっと残っていました。

大学を卒業したAさんは、大企業に就職しました。数年間働いた後、そこでの成長に物足りなさを感じたAさんは、自ら事業を起こします。そして、事業を急成長させ、起業家として成功したのです。

Aさんを成功に導いた原動力は何だったのか?

Aさんは、学生時代にチームを優勝に導けなかった悔しさを、仕事で晴らそうとしていたのです。

起業後、押し寄せる仕事に追われる中、Aさんの生活スタイルやペースは大きく変化していきました。そして、ビジネスで成功することだけがAさんの目的となっていきました。いつしかAさんは、自分自身のことについて振り返る時間を失っていったのです。

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最終更新:6/30(木) 10:10

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