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「円は安全資産だから非常時に買われる」という勘違いについて。(塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 6/30(木) 5:30配信

世界の金融市場が混乱すると、円高になります。「安全通貨である円に資金が逃避した」と言われるわけですが、本当でしょうか?世界一の経済大国、軍事大国である米国の通貨、世界の基軸通貨である米ドルと比べて、日本円の方が安全だとはどうしても思えません。

今回は、英国のEU離脱が話題になったため、欧州経済が混乱しそうだ、といいうことで円高になったものです。欧州通貨と比べて円が高くなるのはわかりますが、米ドルと比べて円が高くなるのはなぜでしょうか。

■過去の経常収支黒字が投資家のポジションになっている

日本は長年にわたり巨額の貿易黒字、経常収支黒字を稼いでいましたから、輸出企業が巨額のドルを持ち帰ってきても、輸入企業が全部を買ってくれたわけではありませんでした。残りの部分を買っていたのは投資家です。「円をドルに換えて米国で運用しよう。リスクはあるが、リターンも見込めるから」というわけです。

日本人の投資家が米国などで運用した場合もありますし、外国人投資家が円を借りてドルに換えて運用した場合もあります(キャリー・トレードと呼ばれます)が、いずれにしても、これはいつかは円に換えなくてはいけないドルです。こうしたドルを「投資家のポジション」と呼びます。

投資家が、ポジションを閉じる(いつか円に換えなければいけないドルを円に換える、すなわちドルを売る)場合には、別の投資家が買うことになります。つまり、投資家全体として持っているポジションの大きさは変化しないのです。

■投資家がリスク・オフになると、ドル売り注文が増える
投資家によっては、「リターンが見込めるならリスクがあっても投資する」という人と、「リターンが見込めても、リスクがあるなら投資しない」という人がいます。同じ投資家でも、状況によって「リスクをとっても投資する」場合(これを投資家がリスク・オンであると呼びます)と「リスクがあるなら投資しない」場合(これを投資家がリスク・オフであると呼びます)があります。

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最終更新:6/30(木) 5:30

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