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中島翔哉の帰還。J3でのプレー、長期離脱を経て、帰ってきたU-23アジアMVP

フットボールチャンネル 6/30(木) 11:30配信

 小さなエースが鮮やかな復活ゴールを決めた。U-23南アフリカ代表を松本平広域公園総合球技場に迎えた6月29日の国際親善試合。右ひざのじん帯を痛め、3月下旬のU-23メキシコ代表戦以来の出場となったU-23日本代表のFW中島翔哉(FC東京)は、前半37分に同点弾、同アディショナルタイムには相手の戦意を喪失させるチーム3点目をゲット。164cm、64kgの体に搭載された得点感覚とフォア・ザ・チームの精神をすべて解き放ち、7月1日のリオデジャネイロ五輪代表メンバー発表を待つ。(取材・文:藤江直人【松本】)

「点を取ったから、というのはないです」

 思った通りの言葉が返ってきた。約3ヶ月ぶりにU-23日本代表のユニフォームに身を包み、前半だけで2ゴールをマーク。存在感を示したU-23南アフリカ代表との国際親善試合を終えた直後だった。

「結果が必要な試合で、文句のないパフォーマンスを演じられたのでは」

 メンバーのなかで最後に取材エリアへ姿を現した中島翔哉は、メディアからの質問に対して開口一番、はにかんだ表情を浮かべながら個人うんぬんよりもチームを強調した。

「個人よりもチームが勝てたことが、すごくよかったと思っている。点を取ったから、というのはないです。チームが勝ったことがうれしい。(自分のなかでは)ずっとそうなので」

 4月22日の練習中に右ひざの内側側副じん帯を損傷。長期の戦線離脱を強いられている間に行われたガーナ代表との国際親善試合で、2014年1月のチーム発足時から託されてきた背番号「10」をMF矢島慎也(ファジアーノ岡山)に譲った。

 わずか2日後の7月1日には、リオデジャネイロ五輪に臨む代表メンバー18人が発表される。アピールできる最後の舞台となる南アフリカ戦で何とか復帰を果たしたが、用意されていた背番号は「13」だった。

 南アフリカ戦へ臨むメンバー21人を発表した6月20日。手倉森誠監督は再び「10」番を与えた矢島を引き合いに出しながら、中島へエールを送っている。

「翔哉が欠けていた分、矢島が10番を背負って、ガーナ戦でもトゥーロン国際大会でもいい仕事をしてくれている。いまの時点では時系列からいっても矢島が10番だなと。10番に戻す力を、翔哉にはこの試合で表現してくれればなと思います」

 当落線上にいるシチュエーションに置かれ、しかも指揮官から公の場でハッパをかけられれば、たいていの人間はチームよりも個人を優先させたい心境に陥る。自らのゴールを真っ先に喜ぶ。

 しかし、中島は違った。冒頭で「思った通りの言葉」と記したのは同じような立場で、フォア・ザ・チームに徹し続けた中島の姿を目の当たりにしているからだ。

 発足して3シーズン目を迎えているJ3に、FC東京はU-23チームを参戦させている。文字通り23歳以下の若手選手に公式戦の舞台で真剣勝負を積ませて、成長を促すことが目的だ。

 J1よりも2週間遅れで開幕を迎えた3月13日。敵地でSC相模原と対峙したFC東京U-23の先発メンバーに、ユース所属の高校生たちに混じって中島も名前を連ねていた。

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最終更新:6/30(木) 12:58

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