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【EURO 今日は何の日】6月30日「ドイツ、初のゴールデンゴールで3度目の戴冠(96年)」

SOCCER DIGEST Web 6/30(木) 17:29配信

ベンチ要員だったストライカーが、一躍ヒーローに躍り出た!

 EURO96の決勝に駒を進めたのは、ドイツとチェコ。かたや冷戦終結後に東西ドイツが合併し、もう一方はチェコスロバキアから分裂独立したという、対照的な国同士である。
 
 ドイツは通算5度目の決勝戦。過去2度の優勝を果たしている。そのドイツを76年大会決勝でPK戦の末に下したのが、チェコスロバキアだった。チェコ単独としては、もちろん初の決勝進出である。
 
 優勝候補のイングランドを準決勝でドイツが破ったことは、ひとつの番狂わせではあったが、それ以上に人々を驚かせたのは、チェコの快進撃。知名度も戦前の評価も高くなかったチームが、イタリア、ポルトガル、フランスらを押しのけてファイナリストとなったのだ。
 
 ちなみにドイツとチェコは、グループステージ初戦で対戦。ドイツが危なげなく2-0で勝利を挙げている(それゆえに2戦目で対戦するイタリアが油断してメンバーを大きく落とし、足元をすくわれた)。チェコにとって決勝戦は、雪辱を果たすべき場でもあった。
 
 6月30日。ウェンブリーでの一戦に両チームが出揃った。ドイツは守備にマティアス・ザマー、中盤にトーマス・ヘスラー、そして前線にユルゲン・クリンスマンと、それぞれのラインの柱にスター選手を置いていた。
 
 一方、旋風を巻き起こしたチェコでは、パベル・ネドベド、カレル・ポボルスキー、パトリック・ベルガーといった、今大会で大躍進を遂げた若い宝石が、強国ドイツ相手に4年前のデンマークが果たしたようなジャイアントキリングを狙っていた。
 
 試合は、勢いに勝るチェコが試合を支配。チェコスロバキア時代からの「ウルチカ(小道)」と呼ばれる伝統のパスワークも冴え、58分には待望の先制点まで手に入れる。ポボルスキーがペナルティエリア手前でファウルを受け、これを主審がPKと判定したのである。
 
 ベルガーのシュートによってリードを許したドイツ。前大会決勝の悪夢が脳裏をよぎったか、彼らは狼狽の色を見せたものの、間もなくしてベルティ・フォクツ監督が動く。69分、空中戦に強いオリバー・ビアホフを投入。そしてこの采配が、ずばり的中した。
 
 4分後、右からのFKに対し、抜け出したビアホフが豪快なヘッドでゴール。この大会、ほとんどの試合でベンチから試合を眺めていたサブプレーヤーが、一躍スポットライトを浴びた。
 
 試合は延長戦に突入した。そして開始から4分、クリンスマンのパスを受けたビアホフは後方からの厳しいマークにも踏ん張り、反転して左足でシュートを放つ。GKペトル・コウバはこれに反応したものの、ボールを後方に反らし、ゴールラインを割るのを見守るしかなかった。
 
 この大会から、延長戦でのゴールデンゴール方式(サドンデス)が採用されており、この瞬間にドイツの16年ぶり3度目の欧州制覇が決まった。
 
 エリザベス女王からアンリ・ドロネー・カップを授与されたキャプテンのクリンスマンをはじめ、全てのドイツの選手が歓喜の咆哮を上げる。フォクツ監督はヘルムート・コール首相から祝福の抱擁を受けた。
 
 ザマーはこの年、旧東ドイツ出身の選手としては初めて、バロンドールを受賞することとなった。
 
 この大会を最後に、ドイツは現在まで欧州タイトルから遠ざかっている。世界王者として臨んでいる今大会、通算3度目の決勝敗退を喫した2008年大会の雪辱を果たし、4つ目の優勝トロフィーを手にすることができるだろうか。
 
◎6月30日に行なわれた過去のEUROの試合
◇1996年イングランド大会
決勝
ドイツ 2(延長)1 チェコ
 
◇2004年ポルトガル大会
準決勝
ポルトガル 2-1 オランダ
 
※日付は全て現地時間

最終更新:6/30(木) 17:30

SOCCER DIGEST Web

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