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自分の親ならここに入れたい老人ホーム

JBpress 6/30(木) 6:10配信

 ICTの進展により、企業経営がガラス張りになる「透明化社会」において、顧客に選ばれ続ける企業になるためには、確固とした経営理念・経営哲学が不可欠だ。

筆者が訪問した施設で撮影した写真は元記事でご覧いただけます

 「顧客に選ばれる」といっても、いろいろな基準やレベルがあるが、顧客自身が働きたくなる、自分の子どもを働かせたくなる、というのが、“究極”なのではないだろうか。

 その意味では、第3回の記事「『卒業したくない』教習所が教えていること」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45875)で紹介した、ネッツトヨタ南国(高知市)と安城自動車学校(安城市)は究極の企業と言える。

 ネッツ南国は、顧客から自分の子どもを就職させてくれないかと相談され、安城自動車学校は、教習生から就職したいと相談されるという。

 星野リゾートでは、宿泊者がここで働かせてほしいと懇願し、そのまま住み着いたスタッフがいる。筆者が数年前、北海道のアルファトマムリゾートに家族で宿泊した際、そのようなスタッフに出会った。

 社員たちがいきいきと働き、心のこもったサービスを提供している姿を見て、この環境に自分も身を置きたくなる顧客、自分の子どもを働かせたいと思う顧客が現れるのはごく自然なことだろう。厳しい中にも愛情に溢れる職場環境に身を置けば、人間的に成長できるに違いないと感じるのだ。

■ 今を築いてくれた大先輩への恩返し

 今回紹介するのは、介護事業という究極のサービス業において、着実に成長し続けているウチヤマホールディングス (以下、ウチヤマHD)だ。

 ウチヤマHDは、北九州市小倉北区に本社を置き、介護、カラオケ、飲食の3つの事業を中心に展開している。ウチヤマHDの配下に、カラオケ・飲食事業を手掛ける「ボナー」、介護事業およびホテル事業を手掛ける「さわやか倶楽部」がある。

 グループの連結売上高は約240億円(2016年3月期)、2014年9月に東証一部上場。社員数は正社員1911名、パート・アルバイト等2349名の合計4260名が働く企業だ(2016年3月末現在)。

 そして今回、訪問する機会をいただいたのは、さわやか倶楽部の運営する北九州市の老人ホーム。満面の笑顔で出迎えてくれたのは、入居者のおじいちゃん、おばあちゃんたちだ。

 急な訪問にもかかわらず、玄関には「歓迎 野村総合研究所 北俊一様」という大きな張り紙が掲げられていた。習字の上手な入居者が書いてくれたものだという。「人は、人から必要とされることが大事なのです」と、内山文治代表取締役社長は言う。

 ちょうどお昼時の訪問だったため、入居者と同じ食事を美味しくいただいた。この施設では、給食事業者に委託せず、自分たちでメニューを考え、食事を作っている。職員たちが食事を作る姿はガラス越しで見えるようになっている。

 リハビリのための施設も充実している。入居時には歩くことができなかった入居者が、リハビリの結果、自立歩行可能となり、自宅に戻ることもあるという。介護施設に入って、元気になって戻ってくるとは、家族もびっくりだろう。

 ウチヤマHDの介護事業は2003年にスタートし、現在、北は北海道、南は九州大分まで、73カ所の介護施設を運営し、売上の50%強を占めている。業界平均を大きく上回る91.8%という非常に高い入居率(2015年度既存施設平均)を誇っている。同社の成長の秘密は、内山社長の経営哲学とその徹底にある。

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最終更新:7/1(金) 9:55

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