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中国メーカー参入で3次元NAND市場が爆発か?

JBpress 6/30(木) 6:10配信

 ビッグデータの時代が到来した。現在、世界で生み出されているデータ量は約8ZB(ゼータバイト)を超えた。1ZBは10の21乗である。新聞5枚分のデータ量が1MB(10の6乗)に相当し、1ZBは75億年分の新聞のデータ量になるという。もはや私には、8ZBがどれほど凄まじいデータ量なのか、想像ができない。

 野村証券によれば、8ZBの15%(1.2ZB)がストレージされており、その内訳は、ハードディスクドライブ(HDD)が90%、NANDフラッシュメモリ(以下「NAND」)が10%であるという。つまり、NANDがストレージしているデータ量は、0.12ZBということになる。

 現在、NANDを生産しているのは、サムスン電子(35.1%)、東芝(21.6%)/サンデイスク(15.1%)、マイクロン(13.3%)/インテル(6.9%)、SK Hynix(7.9%)である(カッコ内は2016年第一四半期の売上高シェア、図1))。これら4グループのNAND工場キャパシティを合計すると、300mmウエハで月産150万枚になる。月産10万枚の工場(ギガファブ)が15個あるということである。

  (* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47207)

 2020年に人類が生み出すデータ量は44ZBになり、そのうち解析可能なデータは15ZBになるという(EMCの協賛でIDCが実施したデジタルユニバースの調査)。この15ZBをストレージするために必要となるNAND工場のキャパシティはどのくらいになるのか。

 HDDよりNANDの方が動作速度が速いこと、NANDの構造を3次元化して集積度が向上すれば低価格化できることなどから、ストレージに占めるNANDの割合は、2015年の10%から2020年には50~70%になると予測されている。

 3次元化により4倍集積度が増大し、ストレージに占めるNANDの割合が50%になったと仮定すると、NANDを生産するのに必要なキャパシティは、月産2343万枚と計算される。つまり、月産10万枚のギガファブが234工場必要となる。現在、世界には15工場しかないため、219工場足りない。つまり、ビッグデータの急拡大と共に、3次元NAND市場が爆発するのだ。

 その3次元NANDで覇権を握るのは誰か? 

■ 赤字ではないサムスン電子の3次元NAND

 NANDの売上高シェアでは、東芝とサンデイスクが合計で36.7%となり、サムスン電子(35.1%)を上回っている。ところが、各社のNAND工場キャパシティに占める3次元NANDの割合を見てみると、サムスン電子(40.8%)、SK Hynix(3.3%)、東芝/サンディスク(5.4%)、マイクロン/インテル(17.6%)となっており、サムスン電子が他社を大きくリードしている(表1)。

 この結果には、驚かざるを得ない。特に、BiCS(Bit-Cost Scalable)と名付けた3次元NANDを、世界で初めて学会発表した東芝がたった5.4%しか3次元化できていないことについては、驚きを通り越して、「大丈夫なのか?」と先行きが不安になる。

 この事態について東芝関係者にヒアリングしてみると、「3次元の積層数が48層まではつくればつくるほど赤字。だから東芝は次世代(64層以降)にアクセルを踏む」という反応を示した。「48層までは赤字」だとすると、サムスン電子は赤字を垂れ流しながら3次元NANDを大量生産していることになる。それは本当なのか? 

 サムスン電子は、「VNAND」(Vertical NAND)と名付けた3次元NANDを中国の西安工場で量産している。そして、中国の半導体事情に詳しい関係者によれば、「中国が招致した西安工場では、土地代がタダ、電気や水などのインフラ代がタダ、法人税が向こう10年間免除、加えて、オペレーターとして中国人を1000人規模で採用しているため各種補助金が出る。そのため税引前利益では(東芝関係者が言うように)赤字かもしれないが、税引後利益では黒字になっているはずだ」という。

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最終更新:6/30(木) 10:00

JBpress

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