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主婦にも公務員にも開かれた確定拠出年金

JBpress 6/30(木) 6:00配信

 5月24日、国会で「確定拠出年金」の改正法が成立しました。前回(「実はNISAより税制上のメリットが大きい個人型DC」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47137)に引き続き、制度改正の内容を解説していきます。

個人型DCの加入可能範囲(図)

 確定拠出年金は企業年金の1つで「DC」(Defined Contribution)と略されます。

 「将来の年金額の給付が確定している」企業年金が「確定給付年金」(DB)です。それに対してDCは「将来受け取る年金額を運用する掛け金の拠出が確定している年金制度」です。企業や個人がさまざまな金融商品に投資して資産運用を行い、その結果を老後に年金として受け取ります。

■ 公務員や会社員も新たに加入できる

 今回の確定拠出年金の制度改正で特筆すべきなのが、個人型DCに主婦や公務員などが加入できるようになったことです。

 個人型DCとは、国民年金基金連合会に加入を申し出て、個人として加入するDCです。一方、会社(事業主)が運営し、従業員が原則として全員加入するのが企業型DCです。

 これまでは自営業や企業年金のない会社の社員しか加入できませんでした。今回の制度改正で、すでに企業年金に入っている会社員も、企業年金と確定拠出年金(個人型DC)を併用して使えるようになります。

 専業主婦などの第3号被保険者は、夫が会社員や公務員の場合、配偶者が加入する年金制度で「国民年金」に入っています。では、専業主婦の場合、年金はいくらもらえるのでしょうか?  2016年度の年金額を見ても、国民年金(老齢基礎年金)は満額で月額6万5000円しか給付されません。年額にして78万円です。

 自営業の人も国民年金の加入だけなので、同額の78万円なります。夫婦合わせても年額156万円です。総務省の家計調査(2014年)によると、60代夫婦の消費支出は月額29万6000円、年額にして約355万円かかります。差し引き200万円不足してしまう計算です。

 会社員の場合は、厚生年金を含めて月額22万円、年額にして約265万円。それでも差し引き90万円不足します。企業年金が充実している大企業の会社員は何とかなると思いますが、中小企業の会社員は老後の生活資金を確保するのが難しいでしょう。

 そこで、個人型DCを活用できるようにしたのです。前回のコラムで解説したように、NISAより税制上のメリットは大きい個人型DCは、老後資金づくりには有利に働きます。

■ 「マッチング拠出」の掛け金は全額所得控除の対象に

 個人型DCには拠出限度額、すなわち掛け金の上限があります。専業主婦は年額27万6000円(月額2万3000円)です。一方、企業型DCに入っている会社員は年額24万円(月額2万円)になります。

 企業型DCのみを実施している会社では、事業主の掛け金を年額42万円(月額3万5000円)を上限とすることを規約で定めた場合に限り、個人型DCへの加入が認められます。

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最終更新:6/30(木) 6:00

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