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リーマン予想が解ける時

JBpress 6/30(木) 6:00配信

 3回にわたり語ってきた超入門リーマン予想もこれが最終回です。リーマン予想を語るための数式はこれまでの連載の中に登場済みです。最終回は数式は最小限にしました。最後まで一気に文章を読んでいただきたいと思います。

 リーマン予想とは、ゼータ予想のことに他なりません。オイラーによって発見された最初のゼータ関数(オイラーゼータ、連載)。その定義域は、自然数から始まって実数まで拡張されました。その仕事がオイラーの偉業です。

 その次の仕事がリーマンによるゼータ関数(リーマンゼータ)です。その定義域は複素数にまで拡張されました。

 それが前回に紹介した解析接続と呼ばれる方法です。オイラーゼータに対して解析接続したのがリーマンゼータです。

 リーマンは複素数の世界で生息するゼータを発見し、その挙動を探ります。

 そもそものきっかけは素数の個数を精確に表す公式をつくることでした。

 連載で紹介したように、オイラーはオイラーゼータが素数と密接に関係していることを解明していました。

 リーマンは、複素数に生息するリーマンゼータと素数の関係を考察することで、素数の個数を表す素数公式を発見するに到りました。

 この研究の中でリーマンが捕らえたのがリーマンゼータの零点です。関数f(x)の零点とは、方程式f(x)=0のxのことです。

 リーマンゼータの零点αとは、

 ゼータ方程式 ζ(α)=0

 の複素数αのことです。

 この零点αをかき集めることで素数の個数を勘定できるというのがリーマンの素数公式です。

 するとαの実際の値が問題になってきます。当然、リーマンはゼータ方程式を解くことに着手しました。

 そして、数個のαの値を求めることに成功します。この瞬間、リーマンはそれらすべてのαに共通する性質に気づきました。

 リーマンゼータの零点 α=1/2+it

 リーマンゼータの難しい零点αは複素数ですが、すべてのαの実部が1/2という事実です。

 その時の様子をリーマンは次のように論文に書き残しています。

 実際、この領域内にほぼこれと同じくらい多くの実根があって、しかもそれらの根がすべて実根であることはきわめてたしからしいのである。(訳:平林幹人)

 このリーマンの記述こそ、リーマン予想が現れた瞬間です。上記を前後の文脈から翻訳すると、リーマンゼータの零点が1/2+itの形であるということになります。

 さらにリーマンは次のように続けます。

 もちろん、このことについての厳密な証明を得ることが望ましい。私は少しばかり粗雑で成果のでなかった試みの後に、差し当たりこの証明には手をつけないでおくことにした。なぜなら、以下の私の研究の目的にはなくてもよいとおもえてからである。(訳:平林幹人)

 リーマンは証明を断念したことが読み取れます。

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最終更新:6/30(木) 6:10

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