ここから本文です

これで電子書籍も紙の本のように便利になる?

JBpress 6/30(木) 6:00配信

 手軽に何十冊、あるいは何百冊もの本を持ち歩ける。スマートフォンやタブレット端末など、様々な機器で自分の本を読むことができる。購入した本はネット上に保存してあるので、いつでもアクセスできるし、失う心配もない。

■ 紙の本のように扱えない厄介さ

 こうしたことが電子書籍の便利な点だが、やっかいな面もある。例えば、ある箇所を読んでいる時、巻末にある表や地図などを見たり、何章も前のページを読み返したりしたくなる。

 そこで、そうしたページにジャンプすると、今読んでいた場所に戻るのが大変になる。そのことが分かっているため、紙の本では当たり前のようにやっているこうしたページめくりをしなくなる。

 電子書籍にはしおり機能があり、これを使えばページを一気にジャンプできる。しかし、しおりは読書中に重要、と感じた場所にも付けており、これをむやみに使うと、何が重要箇所だったかが分からなくなり、後で困ることになる。

■ 「Page Flip」で問題解決か? 

 米アマゾン・ドットコムは6月28日、こうしたやっかいな問題を解決する電子書籍の新機能を開発したと発表した。

 同日から、アマゾンの電子書籍端末「Kindle」や、タブレット端末「Fireタブレット」、そしてiOSとAndroid用のKindleアプリに無償ソフトウエアアップデートを行い、新機能を提供するという。

 これは、「Page Flip(ページフリップ)」と呼ぶ、ページめくりの機能だ。

 同社によると、その使い方は主に2つある。1つは、画面をスワイプしてページをぱらぱらとめくる方法。

 スワイプしてページを移動すると、画面の左下に小さく、今読んでいたページのサムネイルボタンが表示される。これをタップすると、すぐに元のページに戻ることができる。

 もう1つは、アマゾンが鳥瞰図やズームアウトと呼んでいる、複数ページのサムネイル一覧表示。こちらは、画面内に9ページ分のサムネイルが3列3段で表示される。そしてユーザーはこれをスワイプすることができる。つまり9ページ同時にページめくりができることになる。

 サムネイルであるため、表示される個々のページは小さいが、その中に、写真や図、ハイライトした箇所といったもの
があれば、目に留まる。

 こちらも同様に、直前に読んでいたページが自動で保存され、そのサムネイルボタンが画面上部中央に表示される。これをタップすれば、すぐに元のページに戻れるというわけだ。

■ 新機能は読者の指の代わりになる? 

 アマゾンによると、我々が紙の本を読む際、ぱらぱらとページをめくり、指を挟んでおいた元のページに戻るといったことをするが、この機能はそうした人々の動作からヒントを得たという。

 この話題について報じている米ニューヨーク・タイムズの記事によると、アマゾンは定期的にユーザーにアンケート調査を行っており、Page Flipはその中でも特に要望の多かった機能という。

 とりわけファンタジー小説の超大作などを読む際には、人物の相関図や、家系図、あるいは地図といったものを参照したくなる。この機能はそうした書籍でとりわけ重宝するだろうと、同紙は伝えている。

■ 対応書籍の拡大に期待

 ただし、ソフトウエアアップデートを行ったからといって、すぐさますべてのKindle本でこれが使えるというわけではないようだ。

 というのも、Page Flipを使うためには、電子書籍がこの機能に対応している必要がある。アマゾンは、現在Page Flipに対応する電子書籍は数百万冊あり、今後毎日その数は増えていくと説明している。

 Page Flipは電子書籍を紙の本に一歩近けた素晴らしい機能と言えるが、現時点でそれを利用できるのは一部の書籍に限られている。今後の対応書籍拡大に期待したいところだ。

小久保 重信

最終更新:6/30(木) 6:00

JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。

JBpressの前後の記事

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。