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テロ被害で観光業大打撃のトルコやエジプト。代わりにある国が浮上

HARBOR BUSINESS Online 6/30(木) 9:10配信

 トルコ・イスタンブールのアタテュルク国際空港で起きた自爆テロは、現状で死者36人とも言われる被害となり、大きな衝撃をもって報じられている。

 今回のテロはISの関与が疑われているが、実はここ最近のトルコではクルド人テロ組織によるテロ事件も頻繁に起きていた。『Diario Turco』紙によれば、テロ事件はトルコの観光業に大きな影響を与えており、〈今年1月から4月まで582万人の外国人訪問があったが、それは前年同期間に比べ16.5%の減少〉となり、〈今年は150億ドル(1兆6800億円)の観光収入減に繋がる〉と報じている。

 実際に、テロ活動による被害を避けようと、ツアーオペレーターは早い時期からだいたい訪問先を探す傾向にある。ヨーロッパで第2の規模のツアーオペレーターであるトーマス・クックは〈今年に入ってトルコへの訪問客が既に5%減少している〉発表している。(参照:「ABC」)

 トルコ同様、エジプトも昨年と今年とロシアのコガリムアビア航空とエジプト航空のテロ攻撃が重なり、2010年の1470万人の外人観光客の訪問をピークに毎年外人訪問客が減少している。

 また、チュニジアも最近4年間でヨーロッパ人の訪問は45%減少している。しかも、チュニジアを経由しなくなったクルーズ客船もあり、観光客は減少の一途を辿っている。

 そして、この3か国の観光業にとっての不運が、ある国の観光業にとっては「幸運」となっている。

◆テロで観光業大打撃な国の代わりに浮上した観光地

 そのある国とは、スペインである。

 前出したトーマス・クックは〈トルコ訪問をキャンセルしたお客の多くがスペイン訪問に変更した〉と述べ、目的地の変更先として〈カナリア諸島、バレアレス諸島、地中海沿岸〉にチャータ便を向ける予定にしているという。

 この潤いを最大に享受することになるのが地中海沿岸のリゾート地ネルハ、トレモリノス、ミハス、マルベーリャ、エステポナなどがあるコスタ・デル・ソルである。同地では〈350の宿泊先と88000個のベッドを用意〉しているが、〈客室稼働率は6月から9月まで78.5%になる〉ことを見込んでいるという。月ベースで見ると〈6月は75%、7月79%、8月85%、9月75%〉を予定しているという。

 同様に地中海を代表するリゾート地としてバレンシア州のベニドルムも人気が上昇しており、〈5月に既に訪問客は105万人〉だという。

 今年のスペインへの外人訪問者数は前年度の6810万人を超えて、7200万人になると推測されている。航空会社は観光シーズンの〈5月27日から10月29日までに1億8600万席を用意する〉という。

 決して良くはないスペイン経済だが、GDPの12%を担うスペインの観光産業は今年も健在である。

<文/白石和幸>

しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:6/30(木) 9:29

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