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平均年齢19歳のShout it Outを 「ウルトロン世代」と名付けたい!

CREA WEB 6/30(木) 12:01配信

 音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する! 

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は? 

【次に流行る曲】Shout it Out「青春のすべて」
SUPER BEAVERの柳沢亮太がプロデュース

伊藤 今回は、10代限定の夏フェス「未確認フェスティバル2015」で3254組の中からグランプリになった平均年齢19歳のギターロックバンド“Shout it Out”。そのメジャーデビューシングル『青春のすべて』です。

山口 未確認フェスティバルはTOKYO FMで10代から人気のラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」が中心になってやっているコンテストですね。こんなバンドが出てきてるんですね? 

伊藤 そうなんですよね。全然知りませんでした。とにかく彼らの音を聴いて、まずイメージしたのは、レモンを搾った瞬間にほとばしる飛沫と爽やかな香り。半端ないフレッシュさですね。

山口 作詞家らしい表現ですね。でも、本当にそうですね。不思議なことに、音だけでも若さの勢いが伝わるんですよね。

伊藤 プロデューサーの柳沢亮太(SUPER BEAVER)によってスーパーに並べるには十分な色形に整えられたけど、隠すことのできない“酸っぱさ”というか。サウンドもスタイルもカッコイイし、申し分ないクオリティなんだけど、10代が持っている未熟さや大人には出せない奔放さ、それらがスパイスになって音に表れていますね。

「青春」という言葉の持つニュアンスとは?

山口 柳沢良太もプロデューサーとしては、新鋭ですよね。現役アーティストとしてバリバリの時に、他のバンドのプロデュースをやるって珍しくないですか? 

伊藤 現役アーティストがプロデュースを同時にやっていることは珍しくないかもしれないですが、彼はまだ27歳で自身のバンドもメジャーデビューして7年ほどですからね。この若さでバンドプロデュースするっていうことはよっぽどプロデュースにも関心があるし才能もあるんでしょうね。そういえば数年前にSCANDALに楽曲提供もしていました。あの辺からプロデュースってことに目覚めているのかもしれないですね。

山口 多面的に活動するのは良いことですね。プロデュースとバンド活動を線引きするのは業界人的な感覚で、音楽家にとっては区別は無いですよね。

伊藤 さて、話をShout it Outに戻しますが、このバンド名も曲タイトルも詞も、彼らから表現される言葉には飾りっ気がなく恰好をつけていないように感じます。いやむしろロックにしては軟弱だし、可愛らしい、女々しいようにも思う。ロックが“恰好をつけるもの”だった時代とは違って、自然体であることの美学を言葉にしているんじゃないかな。

山口 自分たちの世代のセンス、2016年という時代の空気をよく表していますね。

伊藤 彼らの時代ですからね。意識して表現しているかはわかりませんが、時代にフィットしているというか、彼らの言葉が時代そのものというか。曲の冒頭に出てくる「青いアイスキャンディー」、これを“可愛らしさ”と思うか、“儚さ”と思うか。2番の始まり「真夜中に書いた君へのラブレター」、これを“手垢のついたフレーズ”と捉えるか、“絞り出された感情”と捉えるかでこの曲の受け取り方は全然違う。「青春のすべて」というタイトルも50年くらいのサイクルで一周してきたのか、2016年にデビューするロックバンドのタイトルとして相応しいものに思える。

山口 青春って臆面もなく言えるのが素敵だと思いました。平均年齢19歳のバンドだから許されることではありますが。

伊藤 2005年に“修二と彰”の「青春アミーゴ」って曲をプロデュースしたんですが、あの時は80年代の青春を意識して、あえて昭和感を匂わせる楽曲を演出をしました。“青春”って言葉にはそれぞれに世代がもつ青さがあるんですよね。

山口 あの「青春」は昭和な響きですね(笑)。

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最終更新:6/30(木) 12:01

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