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圧迫面接が企業経営を「圧迫」する理由。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)

シェアーズカフェ・オンライン 7/1(金) 5:25配信

「就活解禁日当日に内定」等、話題に事欠かない就活だが、驚いたことに、いまだに採用面接で「圧迫面接」を行う企業があるという。

■圧迫面接とは

「2017年卒業予定の学生の就職活動は「売り手優勢」といわれ、各企業が人員確保に奔走している。学生の就活への意識が高まっていることもあり、企業も学生の対応に注意を払うようになっているものの、中には「圧迫面接」を行っているところもあるようだ。

一方で、「圧迫面接にも理由があります」という人も。「顧客や消費者からの理不尽な意見や問い合わせにも冷静に受け答え出来うる人材」かどうかを審査するために圧迫面接は必要だというのだ。理不尽なことはいつ起こるか分からないため、対処できるかどうか見たいのだという。

キャリコネニュース「なぜ「圧迫面接」はなくならないのか--「圧迫でストレス耐性がついた」と主張する社畜に震撼!」 2016/06/24 」


圧迫面接とは、読んで字のごとく、面接官が有形無形の高圧的な言動で就活生に心理的な圧迫を感じさせる面接だ。声を荒げる等の手段で恐怖を与える、人格を否定する発言を行うなど、通常では考えられないことが、面接という場で行われているという。

「圧迫面接があるとの噂を見聞きした時点で27.9%の学生が絶対に就職しない(選考・内定を辞退する)」と考える」(前掲記事)ということであるが、これは人間として当然の反応と思われる。企業における人材確保に負の影響を及ぼしかねない「圧迫面接」が、なぜ行われ続けるのだろうか。

■圧迫面接を行う側の論理
圧迫面接を受けた経験者は「顧客や消費者からの理不尽な意見や問い合わせにも冷静に受け答え出来うる人材かどうかを審査するために圧迫面接は必要だ」(前掲記事)と述べる。「圧迫面接」は、ビジネスに必要不可欠なストレス耐性等のスキルを見極めるための一つの機能である、という主張だ。

しかし、就活生のストレス耐性を見極める手段は「圧迫面接」の他にないのだろうか。例えば、採用活動を支援する会社に依頼すれば、各種の心理テストや適性検査のツールを用いて、本人も意識していない行動特性を数値化することが可能だ。もちろん相応の費用は発生するが、一度に大量のデータを数値化・序列化することも可能であり。面接官の主観が立ち入らない分、客観性や信頼性が担保できるデータと言えるだろう。

加えて、柔軟性等の顧客対応スキルについても、採用後の新人研修等で習得させることも可能だ。そもそも、自社における人材育成コストは、一義的には当該企業が負担するのが原則だろう。そのようなコストや労力を負担せずに、安易に「圧迫面接」という手段で求める人材を確保しようとするならば、その会社の採用計画自体が失策であるとは言えまいか。

もちろん、採用する企業側にも言い分があるだろう。「採用コストを投資したのにすぐに辞める若手」「うつ病に逃げ込み休職を繰り返す社員」等、労働者のメンタルヘルス不調が社会問題化する中、どの企業も抱える共通の課題だ。できればタフで情緒の安定した社員を確保したい、という気持ちもよくわかる。

しかし、そのような自社内の問題のツケ回しを、これから社会に出ようとする若者に向けるのは筋違いというものだ。職場の問題は職場風土の分析や改善を地道に行う必要があり、圧迫に負けない若手を投入することで解決が図れるような単純な問題ではないはずだ。

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最終更新:7/1(金) 5:25

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