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中国が東シナ海で日本を威嚇する本当の理由

JBpress 7/1(金) 6:20配信

 世界は今、英国のEU離脱問題で揺れている。いずれこの問題が、「レファレンダム」(住民投票)という政治的意思決定の手段と意義に関わる形で、香港や台湾に影響が及ぶこともありうるだろう。

 それは、広義において、法治社会のあり方をめぐる問題につながる。香港や台湾で住民の意思が問われることになれば、中国の対応が改めて注目されることになるのは明らかだ。

 英国政府はレファレンダムの結果を厳粛に受け止めたが、政治民主化を否定する中国政府あるいは共産党指導体制が「民意を問う」こと自体ありえない。とはいえ、例えば台湾のように共産党の統治が及んでいない場所で、かつて陳水扁政権が試みようとして実現しなかった住民投票が本当に実施されて中国に不利な結果が出た場合、中国はどう受け止めるのか。それを無視するのは勝手だが、国際社会の厳しい目を覚悟しなければならない。

■ いよいよ常設仲裁裁判所が裁決

 そしてまさに今、同様なことが問われようとしている。中国が主張する南シナ海の主権をめぐって、2013年にフィリピンがオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴した。いよいよその裁決が7月上旬に出される時期を迎え、俄然南シナ海をめぐる情勢が緊迫してきたからだ。

 習近平政権は国内で盛んに「法治」を強調してきたが、国際社会における行動準則たる国際法にどう対応するのか。

 中国は、例えば国連海洋法条約の「排他的経済水域」の設定基準の曖昧さを突いて、東シナ海の「排他的経済水域」の設定で「中間線」でなく「大陸棚延長論」を主張し、自分に都合のいい部分だけ「つまみ食い」しようとしてきた。だが、南シナ海の事例でそれは通用しそうもない。

 常設仲裁裁判所から中国にとって不利な裁決が出されることは広く予想されている。それに対して中国は一切を無視する姿勢を崩していない。常設仲裁裁判所の裁決は強制執行する手立てがない以上、評決そのものに拘束力があるわけではない。

 しかし、中国に裁決無視の対応を許せば、南シナ海は「無法地帯」になりかねないことも事実である。

■ 中国に明白な警告を発したカーター米国防長官

 6月18日から20日にかけ、米海軍が南シナ海に隣接するフィリピン東側海域で、「ジョン・ステニス」と「ロナルド・レーガン」の2隻の原子力空母を中核とした海軍戦力を集結させ、中国に米軍の戦闘力を誇示する形で軍事演習を行った。先週は、同じ西太平洋海域で、「ジョン・ステニス」も参加した米・日・印の3カ国演習「マラバール」を行ったばかりであった。

 6月18日付けの「ニューヨーク・タイムズ」の記事によれば、空母2隻による演習は予定を前倒しして行われたという。前倒しの理由は何なのか。

 6月3日から5日にかけて、シンガポールでアジア安全保障会議、通称「シャングリラ・ダイアローグ」が行われ、アシュトン・カーター米国防長官が6月4日にスピーチを行った。カーター米国防長官はスピーチの中で、南シナ海で人工島建設など拡張主義的行動を取り続ける中国に対し、「不幸にも中国がこうした行動をとり続ければ、自らを孤立させる万里の長城を築いてしまうことになるだろう」と牽制した。また、質疑応答で、中国がスカボロー礁の埋め立てを開始した場合の対応を問われ、「そうならないことを願うが、もしそうなったら米国と地域の諸国がともに行動を起こす結果になり、それは地域の緊張を高めるのみならず、中国を孤立させることになるだろう」と答えた。米国による中国に対する明白な警告である。

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最終更新:7/5(火) 18:05

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