ここから本文です

売れない人を売れる人に変える達人の技

JBpress 7/1(金) 6:00配信

 心理カウンセラーはカウンセリングを行う時にまず意識するのが、クライアントに安心感を与え、安心して何でも話せる「場」を創ることである。

 安心できる「場」を創らないままにカウンセリングをしても、クライアントの本音や心の深い部分からの言葉を引き出すことはでない。

 「このカウンセラーは自分の気持ちを分かってくれない」

 クライアントはそう思うと、カウンセラーからの問いかけに対しても表面的なことしか答えなくなる。その状態で効果的なカウンセリングは行えない。

 そのため、クライアントが安心できる「場」を創れるかどうかがカウンセラーの腕の見せどころとなる。

■ プロジェクト・アリストテレスの証明

 限られた時間の中で「このカウンセラーは自分の気持ちを分かってくれる」とクライアントから思ってもらえる能力、そしてクライアントが安心できる「場」を創る能力、こういった能力を持ったカウンセラーは、クライアントの心の奥にある声を引き出すことができる、いわゆる「できる」カウンセラーである。

 この安心できる「場」を創る能力は、ビジネスの世界で生産性に大きな影響を与える。米グーグルが2012年に「プロジェクト・アリストテレス(Project Aristotle)」と名づけられた生産性向上計画に着手した。

 社内には様々な業務に携わる数百のチームがあるとされるが、その中には生産性の高いチームもあれば、そうでないところもある。この生産性の違いはどこから生じるのか。

 このことを様々な角度から分析し、より生産性の高い働き方を提案することがプロジェクト・アリストテレスの目的だった。

 そして、その調査から分かったのは生産性を上げるうえで重要なのは、他者への心遣いや配慮、共感から生み出される安心感が存在することだった。

 生産性の高いチームでは、この安心感がチームの雰囲気の中に根づいており、否定される、叱られるといった不安が最小限に抑えられ、個々のメンバーが伸び伸びと意見を述べ、活動できる土壌が存在していた。

 カウンセラーに求められる相手が安心できる「場」を創る能力は、ビジネスの世界においても必須の能力であると言える。

 では、どのようにすればこの安心できる「場」を創ることができるのか。安心感を与える能力の高さとはどこから来るのだろうか。

 ある医師の方からこんな話を聞いた。

■ 最新機器に頼る医師の

 最近は技術が発達し、いろいろな医療機器が導入されてきたため、そういった機器に頼った診療をする医師が目立ち始めた。ろくに患者の話も聞かず、十分に患者の体に手を当てることもなく、医療機器からのデータを眺め、分析する。

 そういった分析に依存し過ぎた結果、見落としてはいけないことを見落とすケースも増えてきている。たくさんの病院を回り、MRIやCTを撮って診療を受けたが病状が一向に回復しない年配の女性の患者がいらっしゃった。

 何軒か病院を回った後、MRIもCTもないその医師の方の病院で診察を受けたら、病状が急に回復に向かい始めた。

 病状が回復に向かい始めたきっかけとなったこと、それは医師がしっかりと患者の話を聞き、苦しさ、つらさを共感し、「大変でしたね、おつらかったでしょう」という言葉をかけたことだった。

 「他のお医者さんはMRIやCTを撮ってくれても、私の気持ちは分かってくれなかった。でも、この先生は私の気持ちを分かってくれた。この先生は信頼できると思った。そしたらほっとして、安心できた。それからはずいぶんと調子が良くなった」

 患者の方はそう話されたと言う。医師の深い共感が患者に安心感を与え、その安心感は病状を回復に向かわせるほどのエネルギーをもたらした。

1/3ページ

最終更新:7/1(金) 6:00

JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。

Yahoo!ニュースからのお知らせ