ここから本文です

吉野家があの有名ラーメン店を買収。「新たな価値の創造」を目指す

HARBOR BUSINESS Online 7/1(金) 16:20配信

 2016年6月27日、「吉野家」を展開する吉野家ホールディングス(HD)は、「せたが屋」や「ひるがお」などのブランドでラーメン店を展開している「せたが屋」と資本提携したと発表した。吉野家が同日、せたが屋の株式の66.5%を取得し、子会社化した。取得金額は非公表。(参照:吉野家HD※pdf)

 吉野家HDは吉野家の他に子会社として、讃岐うどんチェーンの「はなまるうどん」、和食店の「京樽」、日本最大のステーキレストランチェーンの「アークミール」などを展開している。ラーメン店の取得は2007年に買収した「びっくりラーメン一番」に続き2回目となるが、びっくりラーメンは買収後2年で撤退しており、「なぜ再び」との声も見受けられる。

◆吉野家が買収した「せたが屋」

「せたが屋」は、本社が東京都世田谷区奥沢にあり、「国内、海外での飲食店の経営及び管理委託業務。調理食品の製造及び販売並びに輸出入」を事業とし、2003年5月に設立された。代表取締役は、前島司氏。「せたが屋」、「ひるがお」、「中華そば ふくもり」、「とんこつらーめん 俺式」、「中華そば 福味」、「博多とんかつ笑い豚」、「小麦と肉 桃の木」などのブランドでラーメン店を17店舗、展開している。その内、2店舗は、米国ニューヨーク州およびニュージャージー州にある。(参照:「せたが屋」公式サイト)

「せたが屋」代表取締役の前島司氏は、1962年11月28日、東京都豊島区生まれ。割烹料理店の料理人を父に持ち、幼少時から料理人になるかもしれないという思いを抱えていたという。様々な仕事を転々とした末、37歳の頃、激戦区であった環七にラーメン店を出店した。ただ、最初の出店時は失敗に終わることになる。その後、研究を重ねて再起。ついに「せたが屋」をオープンし、大成功となったのだった。

◆2回目のラーメン店取得は成功するか?

 吉野家HDは吉野家の他に子会社として、讃岐うどんチェーンの「はなまるうどん」や和食店の「京樽」などを展開している。牛丼の「吉野家」、セルフ式うどんチェーンの創始である「はなまるうどん」、日本最大のステーキレストランチェーンの「アークミール」、老舗上方寿司の「京樽」など多くのトップブランドを有している。各ブランドが顧客から高い信頼を獲得することで、安定した収益を確保していくとしている。

 実は、先述したように吉野家HDがラーメン店を買収するのは、今回が初めてではない。2007年8月に吉野家HDは、「びっくりラーメン一番」を買収し、完全子会社の株式会社アール・ワンとしたが、同社を2009年8月に清算した。1杯189円(税抜180円)のびっくりラーメンであったが、390円ラーメンを主力とする「麺家 五条弁慶」への転換が行われた。しかし、屋号の変更や値上げによる客離れに加えて、小麦粉価格の高騰に伴うコスト増もあり、不採算事業から撤退することになったという苦い過去がある。

 吉野家HDは、「今後の業容拡大などに向け、店作りなどでせたが屋の前島司社長の知見を活用する」としており、同じ轍を踏むつもりはなさそうだ。

 吉野家HDによれば、今回の提携も4月に制定した10年先を見据えた長期ビジョン「NEW BEGINNINGS 2025」の実現を目指し、現在のビジネスモデルに加えて、長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」を模索しているとしている。中でも「競争から共創へ」を掲げて、グループ内での人事交流などを活発化させ、新しい価値創造に挑戦しているという。

 今回の提携も、その一環のようだ。果たして、2回目のラーメン店取得は成功し、新しい価値を想像することになるか。今後の行方が気になるところだ。

<文/丹羽 唯一朗>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:7/1(金) 16:20

HARBOR BUSINESS Online

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。