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英国株の急回復はEU残留を織り込み始めた証し? 

会社四季報オンライン 7/1(金) 16:26配信

 6月28日に欧州連合(EU)首脳会議が開催された。23日の国民投票直後から英国内には後悔の波が広がり、再投票を求める署名は400万件に迫る勢いだったが、出席した英国のキャメロン首相に対しドイツのメルケル首相は「現実に目を向けるべき。EU離脱を覆す可能性はない」と突き放すかのように発言した。

 即座に離脱の通告をせよと迫られるなどキャメロン首相にとっては「針のむしろ」状態の中で始まった会合だったが、EUは英国の後継首相と協議することを了承した。英保守党の党首選は9月9日に結果が公表される予定だ。2カ月ほどの時間の余裕を英国は得たことになる。

 翌29日、EUは英国を除く27カ国の首脳で会議を続けた。EUの単一市場へのアクセス継続を求める英国に対し、EU側は労働者の「移動の自由」確保や予算拠出が必要との認識を示した。つまり、これまでと同じ状態であり続けたいなら、これまでと同じ規則の順守と責任・義務を負うべきということである。

 これは離脱派の主張と真っ向から対立する。特に離脱派は移民増を「危機的」と誇張し、EUから離脱することで抑制は可能と訴えてきた。メルケル首相の言うとおり、英国は「現実」に国民投票でEU離脱を決めた。本来であればEU首脳会議の要求は受け入れがたいはずである。

 しかし、離脱の決定直後に離脱派を率いてきた英国独立党の党首などは、「EUへの拠出金をなくしても国民保険サービスへの政府出資が増えるとは言っていない」、あるいは「ある程度移民を抑制できるといっただけでゼロにすることなどできるわけがない」などと前言を翻したため、「離脱」に投票した国民の多くがだまされたと憤慨。再投票を求める声の高まりにつながっているのだ。

 こうした状況を踏まえて市場では再度の国民投票を実施して真にEUに残留、あるいは「実質的」に残留する方法が取りざたされている。成否のほどはもちろん不明だが、FTSE100種総合株価指数は29日に6360ポイントと国民投票実施当日の23日終値6338ポイントを超えた。

 HSBCやロイズ、バークレイズなど金融セクターの戻りは鈍く、ポンド安による輸出採算の好転や原油市況の反転を受けての資源セクターの戻りなどが牽引しているという構図だが、「Brexit(ブレグジット=英国のEU離脱)」震源地の株価の急速な出直りには驚かされる。市場は「可能性」を織り込み始めているのかもしれない。EUの投げたボールをイギリス国民がどう受け止めて9月にどんな形でボールを投げ返すのか、引き続き注目ということだろう。

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最終更新:7/6(水) 10:11

会社四季報オンライン

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