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アベノミクスは優れた偽薬だが、やはり偽薬に過ぎない。 (塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 7/2(土) 5:00配信

アベノミクスでは、大胆な金融緩和で世の中に資金が出回り、それが物価や株価を押し上げる、という触れ込みでしたが、実際には資金は世の中に出回りませんでした。それでも株価やドルは値上がりしました。今回は、その理由を考えてみましょう。

最初に、経済初心者向けの解説を記しますので、一般の方は飛ばしてお読みいただいても結構ですし、復習のために一読していただいても勿論結構です。

■株価はどう決まるのか?・・・経済初心者向け
株の値段は、売り注文と買い注文の数が同じになるように決まります。買い注文の方が多ければ、株価は今の値段に止まっていないで上がっていくからです。これを経済学の言葉で「価格は需要と供給が等しくなるように決まる」と表現します。これは、経済学の最も重要な考え方の一つです。

実際には、株価の決まり方の一番の基本は、「株を買って配当をもらうのと銀行に預金して(または国債に投資して)金利をもらうのと、どちらが得だろう」と考えて、どちらが得かわからないように決まる、という事です。

「どちらが得かわからないように値段が決まる」というのは、経済や金融の世界では、非常に重要なことです。たとえば株を買って配当をもらう方が絶対に有利ならば、皆が貯金をおろして株を買うので、株の需要が供給よりも多くなり、株の値段は上がっていくでしょう。これを逆から見れば、今の値段で落ち着いているということは、需要と供給が一致している、すなわち株を買うのと預金をするのと、どちらかが一方的に有利だというわけではない、ということです。

最近では、銀行預金をしても金利はほとんどもらえません。一方で株式投資をすれば、そこそこの配当がもらえます。しかし、株式投資をすると株価が下がって損をする可能性があるので、それを考えると株を買うべきかどうか迷ってしまう、という人が多いのです。そこで、今の値段で需要と供給が一致している、というわけです。

この考え方から「株価が割高か割安かの見当をつけよう」という試みが、PERと言われるものです。これは、株価と企業の利益を比べて、「利益の割に株価が高過ぎる」といった議論の材料にするのです。利益と配当は異なりますが、配当されなかった利益も、将来いつかは配当されるだろう、と考えれば、それほど的外れではありませんね。

一株あたり純資産も、株価を決める一つの要素ではあります。株式会社が解散する時には、株主には一株当たり純資産が分配されます。ということは、株価が一株当たり純資産より低いということは、株価が会社の解散価値より低いということになります。これは、よほどの事情が無い限り、不自然ですよね。

というわけで、株価が一株当たり純資産の何倍であるか、という値(PBRと呼びます)も、株式投資に際しては参考とされます。

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最終更新:7/2(土) 5:00

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