ここから本文です

イタリアが狙うドイツの誤算。あの完敗から4ヶ月―。進化した組織力とコンテを悩ます不安要素

フットボールチャンネル 7/2(土) 13:06配信

 イタリア代表は現地時間2日、EURO準々決勝でドイツ代表と対戦する。国際大会ではドイツに無敗のイタリアだが、3月の親善試合では完敗を喫している。しかし、イタリアは今大会で守備だけのチームではないことを見せつけている。イタリアはドイツの誤算を突いていきたいところだが、アントニオ・コンテ監督にはこの一戦に向けて悩みの種を抱えている。(文:神尾光臣)

【写真】EUROを彩る欧州美女。スタジアムに現れた美しきサポーターたち

イタリア、3月の親善試合でドイツに完敗

「別にイタリアのことをトラウマには感じていない。第一、僕自身は一度しか対戦していないのだし。彼らは非常にコンパクトだし、時に5バック気味に守る3バックでくることも知ってる。フォーメーション自体は、僕らが親善試合で戦った頃とそれほど変わらないだろう」

 30日、ドイツ代表のトニ・クロースは、3月に行われた親善試合を引き合いに出しイタリアをけん制した。その試合、ドイツは苦手のイタリアに4-1で完勝する。確かにイタリアにとっては技術的にはもちろんのこと、戦術的にも大いにやり込められた試合でもあった。

 肝心のウイングバックの上がりはサイドバックで蓋をされ、そこにサイドハーフが絡んで数的優位を作られる。構成力の向上を狙い中盤にチアゴ・モッタとリッカルド・モントリーボを起用したところ、パスを繋げないばかりか、走り負けて次々とボールを拾われた。

 そして前線の4人は、長年培われた連係で互いの位置を常に把握し、流動的にポジションを入れ替えつつ相手のDFラインの隙間に走ってパスを引き出す。イタリアの最終ラインはこれをどう捕まえて良いのかわからず、4失点を喫した。

「現在のところ間違いなく世界一で、スペイン戦よりももっと大変な試合になる。各選手のオフ・ザ・ボールの動きが素晴らしく、単なる寄せ集めの代表チームというよりも完成度はクラブチームに近い」と、イタリアのアントニオ・コンテ監督はドイツを褒めていた。

イタリアが狙うドイツの誤算

 事実、スペインの中盤のプレスは思いのほかルーズで、イタリア戦ではこぼれ球をほとんど相手に拾われていた。少なくともこういうルーズさは、今のドイツは見せない。戦術的に完成されている相手と見るからこそ、コンテは警戒するのである。

 ただ、イタリアとて3月の親善試合の頃の彼らではない。あの時は攻めに行っていろいろなことをテストしていたが、本大会では守備から入る姿勢を明確にしている。そして攻撃においても、ポジションごとの役割をもっと明確にしている。

 最終ラインをビルドアップに参与させる比重を強め、中盤は運動量とプレスの強度、前線への飛び出しを重視。最前線ではグラツィアーノ・ペッレが体を張ってポストプレーを続け、センターラインに一本筋を入れる。このようにして組織的に組み立てを図り、ただ守り固めるだけのチームになっていないのが今のイタリアである。

 もしドイツ陣営がこれを見誤り、この戦術的なメカニズムの破壊を怠れば、カウンターの餌食になる可能性も出てくる。現在までのところ4試合1失点とイタリアの守備陣は非常に落ち着いているが、これを武器に相手を前に引き出し、速攻にはめる形を作りたい。

 しかし今回、イタリアはこの守備という点で大きな不安を抱えて臨むことになる。アンカーを務めてきたダニエレ・デ・ロッシが出場できるかどうかが分からないのだ。

1/2ページ

最終更新:7/2(土) 13:12

フットボールチャンネル

記事提供社からのご案内(外部サイト)

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。