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子の本当の姿を知らない親・実情をどう伝える?

R25 7/4(月) 7:00配信

わが子が問題を起こした時、「うちの子は悪くない」「うちの子はとてもいい子」母親であれば、そう信じたい気持ちもわからないではないが、胸を張ってそう言い切れるほど、100%完璧な子どもなどいるはずがない。だが世の中には、そんな“子の本当の姿”を一切認めない母親たちが急増しているという。そこで「心がラクになる子育て」(PHP文庫)の著者で、“保育士おとーちゃん”として子育てカウンセリングを行う須賀義一氏を取材。“子の本当の姿を知らない親”の対処法を聞いた!

●いきなり責めるのは逆効果!
「これは非常に難しい問題なんですね。まず、学校や友だち間で問題を起こすお子さんは、家庭では別の顔を持っているケースがあります。厳格な親の前ではとてもいい子なので、母親は到底子どもの問題に気づかないわけです。そもそも子どもは、外の社会では頑張る自分を発揮し、家庭内では気が抜けるもの。だからある意味、子どもがお母さんに悪態をついたり、反抗したりするのはごく自然な姿なんです。悪態をつくのは信頼の証でもある。“これだけのことを言っても、この人は自分のことを受け止めてくれる、見捨てないだろう”という自信があるからこそ、反抗できるのです。その逆で、ガス抜きが外に向かうのは、やはり家庭内で息苦しさを感じている証だと言えます」

それでは、わが子の本当の姿を知らない母親に、子の問題をどう伝えるべきか。

「実はこういう場合、いきなり“お宅のお子さんが…”と責めると、かえって逆効果になることがあるんですね。他人に忠告されるだけでは変われない…そればかりか、他人に非難されたことにイラ立ち、“あなたが悪さをしたせいで、ママが責められたのよ!”と、さらに子につらく当たり、正しさを求めるようになるケースもあります。そうなると、子どもは追いつめられて、もっと根深い問題を抱えるようになります。こういう場合は、まずはお母さんを責めずに、援助しないといけない。“子どもに対しての温かみがない、もっとお家で見てあげてください、愛情をあげてください”と諭したところで改善されません。“なぜそうなってしまったのか”を、一緒に汲んであげないとならないわけです。受容した上で溶きほぐす作業が必要なので、通常のママ友関係では難しいかもしれません」



この手の母親の背景には、一世代前の子育てが大きく関係しているという。

「実は彼女たちは、自分も厳格な両親に“正しくあれ!”という形で育てられてきたんですね。“正しいのが当たり前”でここまできているので、子の問題を受け容れられないし、肯定なんて到底できない。この凝り固まった育児を解消するのは、専門家でもなかなか難しいことなんですよ」

母親の自己肯定感の低さも、これと関連するという。

「“正しい育児ができない自分を、周りは否定するだろう”というネガティブな被害妄想にかられるんですね。実際はそんなことないのに、勝手にそう思ってしまうから、周囲に否定されないようにアピールしなければならない。社会的視点で正しいことを重視した子育てをするから、子どもは追いつめられて、外の世界で問題を起こしたりふざけたりするようになるのです。子が問題行動を起こした時、人の意見にきちんと耳を傾け、変わろうとする親であれば大丈夫。でもなかには、子がサインを出し続けているにも関わらず、その姿を否定し、やがては“この子はダメ”とあきらめ、無関心になる親もいます。かつて“子どもが万引きをしたから迎えに来てください”と母親に電話をしたら、会社の部下が迎えにきたという事例もありました。問題を認めないどころか、できないわが子を見捨てたケースで、こういう話を聞くと悲しくなります」

子の本当の姿を知らない(=認めない)親たちの背景には、想像以上に根深い“日本の育児の問題”が隠れているのかもしれない。もしも本気で対処しようと思ったら…カウンセラーのごとく長いスタンスで、誠心誠意向き合うことしか道はなさそうだ。

(取材・文/ワタベマキ)


記事提供/ママの知りたいが集まる『mamatenna(ママテナ)』
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

最終更新:7/4(月) 7:00

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