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東北屈指のスラッガー・石垣雅海(酒田南)。自身初の甲子園出場へ「去年の倍くらいホームランを打ちたい」

ベースボールチャンネル 7/5(火) 6:50配信

地元で甲子園を目指すと酒田南へ進学

「カスッ」という音にレフトフライかと思われた打球がフラフラッと上がり、レフトスタンドに落ちた。

 今春の山形県大会決勝。1点を追う酒田南は5回2死から3番・塚野雄大が二塁打で出塁すると、打席には石垣。2球目のカーブにフルスイングしたのがそれである。「こすったので、あそこまで飛ぶとは……」と本人も目を丸くした高校通算30号だった。

 県大会の準々決勝では、インコースをうまくさばいてバックスクリーンへ運んでいた。6月3週目の新潟遠征で放った本塁打の推定飛距離が150mもあったとの噂もある。

 179センチ、86キロの体躯からこすっても本塁打にし、ジャストミートで規格外の飛距離を生む「スラッガー」だ。
 
 地元・酒田市の出身。酒田三中時代に軟式野球で2打席連続本塁打を放つなど、元来のパワーヒッターとして注目された。他校からの誘いもあったが、最終的には「地元で甲子園を目指したい」との思いから酒田南を選択。自宅から学校までは15分ほどで、自転車で通っている。

 1年春からサードを守り、6番を打ってスタメン出場した。夏は2回戦から決勝までの計5試合で20打数8安打4打点と1年生ながらチームに貢献。しかし、決勝の守備で挟殺プレーがあったのだが、石垣は悪送球をしてしまい、結局、チームは敗れた。

 1年秋はショートを守り、2年春からは外野手。この春からは「幅を広げるため」と、ショートに戻っている。まだ荒っぽいところもあるが、「鍛えれば十分やれる」と話すスカウトが多い。

憧れは柳田悠岐、目標は山田哲人

り込む時間が増えたことで打撃がアップしたと思います」と石垣。以前は守備重視のチームだったが、昨春、鈴木剛監督が就任してからは打撃練習が多くなった。

 それでも、昨年は空振りが多かったため、冬場は木製バットで打撃練習を行い、芯で捉える感覚を養った。また、右股関節を左股関節にぶつけるようなイメージで腰を回転させることでスイング軌道もブレにくくなったという。1日最低1000スイングを自らに課し、やり遂げると「春先から打率を残すことができ、空振りも少なくなった」と手応えをつかんで、シーズンを迎えたのだった。

 石垣に理想の選手を訊ねたことがある。すると、「憧れは柳田選手で、目標は山田哲人選手」と答えた。

「フルスイングをしながらもしっかりと率を残せるところがすごい」と、ソフトバンク・柳田悠岐に憧れを抱き、「バットのしなりを使っているスイングがきれいで、技術面で学ぶことが多い」とヤクルト・山田哲人を目標としている。2015シーズンにトリプルスリーを達成した2人の特徴と自分のタイプを分析し、「どちらか」でも「どちらも」でもなく、理由を述べて2人の名前を挙げた。

 高校生に個人の目標を訊いても明確な答えが返ってくることは稀なのだが、石垣は「ホームランを打ちたい、去年(の山形大会)は2本だったので。集大成でもありますし、去年の2倍くらいは打ちたいですね」なんて、気持ちがいいくらいにサラリと言ってのける。「自分が一番、経験しているので、先陣を切って打たないとチームは活気付かないと思います」とも話し、夏に向けて準備に抜かりはない。

 まだ甲子園の土を踏んでいない。レギュラーとして迎える3度目の夏。そして、「地元から甲子園」のラストチャンス。

 石垣は山形の夏空に何本のアーチを描くことができるのか。まだ見ぬ夢舞台はフルスイングに乗った白球の先で待っている。


高橋昌江

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:7/5(火) 6:50

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