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介護保険が崩壊した理由。(藤尾智之 税理士・介護福祉経営士)

シェアーズカフェ・オンライン 7/5(火) 4:54配信

平成12年4月から始まった介護保険制度。日本国中の期待を背に始まった第5の社会保険制度でしたが、どうやら、いや、やっぱり雲行きが怪しくなってきました。当初は順調に利用が伸び喜ばれていましたが、現在は、その伸びをどうやって抑えるかの議論がなされています。私たちは、介護が必要になったときどうすれば良いのでしょうか。

■親が要介護になったら?
親が要介護になったら、どうしますか?一般的に、特別養護老人ホームなどの施設に入って介護を受けるか、自宅に住みながらヘルパーさんなどに来てもらって介護をしてもらうかどちらかになります。特別養護老人ホームであれば、生活そのものが施設におまかせできるので、家族としては一安心です。一方で、自宅でそのまま生活することになった場合は、ヘルパーさんが来ている時は良いとして、それ以外の時間は家族がお世話をすることになります。

誰でも、特別養護老人ホームなどの施設に入れたらいいなと思うはずです。そのため、特別養護老人ホームでは、特に都心部では1施設あたり数百人の入所希望者が待機している状態でした。口には決して出せませんが、よく考えれば入所の番が回ってくるまで5年待ちの状態でしょうか。しかし、その状況が一変したようです。毎日新聞では以下のように報じられています。

「52万人が入所待ちしていた「特別養護老人ホーム」の待機者が、各地で大幅に減ったことがわかった。埼玉県で4割、北九州市で3割、東京都で2割弱など毎日新聞が取材した10自治体ですべて減っていた。軽度の要介護者の入所制限や利用者負担の引き上げなど、政府の介護費抑制策が原因とみられる。一方、要介護度が低くても徘徊(はいかい)がある人らが宙に浮いており、施設関係者らは「介護難民」が増えたと指摘している。
<ヤフー><特養>待機者が急減 「軽度」除外策、介護難民増加か 毎日新聞 2016/6/30」

いったいぜんたいどういうことでしょう。少し細かく見ていきたいと思います。

■特別養護老人ホームへの入所希望者の足切りが始まっていた
平成27年4月から介護保険制度の改定が行われました。その中で、特別養護老人ホームに入所できる人の基準が要介護度3以上ということに変わりました。ご存知でしたか?知らぬ間に利用できる人に制限が加えられていたのです。このため、要介護度2以下の方は自動的に入所希望者のリストから削除されてしまいます。

要介護度2以下の方は、介護度は低いと判断され、自宅でがんばってということでしょうか。いやいや、要介護度2の方でも例えば認知症を抱えていれば、家族は大変です。ヘルパーさんに来てもらったり、デイサービスに通わせたりで何とか家族自身の生活を成り立たせることが精いっぱいの状況です。「もしかしたら特別養護老人ホームに入れるかも」という家族の期待は今回の制度改正によって、はかなくも打ち砕かれてしまいました。

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最終更新:7/5(火) 7:22

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