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ドイツ代表主将がイタリアサポーター側でのPK戦を選んだ理由 過去のCLでの歓喜と苦い記憶

Football ZONE web 7/5(火) 8:28配信

EURO4強進出を決めたPK戦 コイントスで勝つも敵サポーター側のゴールを選択

 欧州選手権(EURO)準々決勝で、PK戦にもつれ込む激闘の末にイタリア代表を破ったドイツ代表MFバスティアン・シュバインシュタイガーが、そのPK戦の際にイタリアサポーター側のゴールで行うことを選んだ理由を、ドイツTV局「SPORT1」に話している。

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 このゲームをベンチスタートで迎えたシュバインシュタイガーは、前半のうちに負傷したMFサミ・ケディラと交代でピッチに入り、延長戦終了までプレーした。PK戦を前にして、GKマヌエル・ノイアーからキャプテンマークを受け継いでいた男は、イタリア代表キャプテンのGKジャンルイジ・ブッフォンと、ハンガリー人レフェリーのビクトル・カッサイ氏を挟んでコイントスに臨んだ。

 PK戦をどちらのゴールで行うかは主審に決定権がある。ゴール前の芝生の荒れ具合、サポーターが投げ込んだ紙吹雪などが残っていないか、時間帯によっては太陽の向きを考慮に入れるからだ。しかし、カッサイ主審はどちらのゴールも同条件と考えたのだろう。まずはコイントスを行い、勝った方のキャプテンに使用するゴールを選ぶ権利を渡す選択をした。

 その結果、トスに勝ったのはシュバインシュタイガー。当然、ドイツサポーターの陣取るゴールを選ぶかと思われたが、青のイタリアサポーターが目立つゴールを選んだ。

 カッサイ主審は驚いた顔を見せ、もう一度確認したがシュバインシュタイガーの選択は変わらなかった。イタリアサポーターから喜びの声が上がった選択について、キャプテンはこう話している。

シュバイニー自身は5人目で痛恨の失敗

「過去にあったことを考えてみたんだ。ミュンヘンでは南スタンドで負けたけど、マドリードでは相手の前で勝ったんだ、とね」

 シュバインシュタイガーの脳裏を巡ったのは、2011-12シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の記憶だった。当時所属していたバイエルン・ミュンヘンは準決勝でレアル・マドリードと対戦し、2戦目のアウェーゲームでPK戦までもつれ込んだが、相手サポーターの前でのPK戦に勝利した。しかし、ホームスタジアムで決勝を戦う幸運に恵まれたチェルシー戦では、同じくPK戦にもつれ込み、自分たちのサポーターの前で敗戦の憂き目にあった。その記憶が、相手サポーターの前でPK戦を行うことを選ばせたという。

 そして、もう一つの要素はこのEUROの中にもあったという。決勝トーナメント1回戦のスイス対ポーランドもPK戦までもつれ込んだが、「スイスサポーターの前で行われたPK戦を勝利したのがポーランドだった」と、大会の流れを感じたと話した。

 果たして、イタリアは2人目のFWシモーネ・ザザ、4人目のFWグラツィアーノ・ペッレがキック前や助走の段階で駆け引きを意識し過ぎたのか失敗。5人目を務めたDFレオナルド・ボヌッチのキックもドイツのGKノイアーが完璧な反応で防いだ。5人目として登場したシュバインシュタイガーが決めれば、その瞬間にドイツの勝利が決まる――だが、主将はまさかのキックミス。本人にとっては苦い記憶となるPK戦になったかもしれないが、敵サポーター側のゴールを選んだことが功を奏したのか、9人目までもつれた壮絶なPK戦は最終的にドイツが制した。

 シュバインシュタイガーにとって、チェルシーに敗れたCL決勝が今でも大きな心残りになっていることがうかがい知れるが、その選択はドイツを勝利に導いたと言えるのかもしれない。このEUROの準決勝や決勝で再びPK戦を行うことになり、再びシュバインシュタイガーが使用するゴールを選択する権利を得たとしたら、今度はどのような選択をするだろうか。

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

最終更新:7/5(火) 8:28

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