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「沈黙に強くなる」とコミュニケーションはうまくいく

ライフハッカー[日本版] 7/5(火) 20:10配信

『対人関係療法のプロが教える 誰と一緒でも疲れない「聴き方・話し方」のコツ』(水島広子著、日本実業出版社)の著者は、「対人関係療法」という精神療法が専門の精神科医。そんな立場から、コミュニケーションのための秘訣を説いた書籍が本書だというわけです。

仕事柄、話し方や聴き方のハウツーを日常的に聞かれる機会が多いそうですが、そんななかで実感しているのは「コミュニケーションとは、人格と人格のふれあい」であるということだとか。それぞれ別個の存在である私たちが、それぞれの存在の橋渡しをするやりとりがコミュニケーションであるということです。だとしたら、その橋渡しをどれほど効果的にできるかがコミュニケーションのポイントだということになります。

そのような観点に基づき、きょうは第2章「コミュニケーションの基本姿勢『話す』力を身につけよう」を見てみたいと思います。

■ 「話さなくてもよい」と思う

「話す力」がほしいと思っている人は多くの場合、「沈黙が嫌だから」と思っているもの。しかし著者は、言葉は決して沈黙を埋めるための道具ではないと断言しています。その証拠に、沈黙を恐れる人にその理由を聞いてみると、「自分のコミュニケーション能力が低いと思われるから」「つまらない人間だと思われるから」という答えが返ってくることが多いそうです。

しかし、本当のコミュニケーション能力を身につけるためには、また、つまらなくない人(一緒にいたいと思われる人)になるためには、「沈黙に強くなる」ことが必要。なぜなら、特に目的がなければ、沈黙していることが適切である場合も多いからです。そんなとき沈黙を言葉で埋めても、「つまらないことばかりうるさく話し続ける人」と思われるだけ。

いわば、沈黙になっても落ち着いていられるようになることこそが「話す力」の基本だということ。そしてそのためには、自分がリラックスすることが大切だそうです。(26ページより)


■ 常に「相手」がいることを意識する

コミュニケーションにおいて重要な点は、「相手という存在」がいるということ。つまり、そこに人間同士のやりとりがあれば、相手を「自分に評価を下してくる存在」から「よいコミュニケーションができるように、自分を助けてくれる存在」に変えることができる。そうすれば、「話す力」がぐっと上がるというわけです。

たとえば声が小さいなら、「声を大きくしなければ」とプレッシャーを感じるのではなく、最初にそれを伝える。「声が小さくなってしまうクセがあるので、聴きづらいときは言ってください」とひとこと断ってから話しはじめればいいという考え方です。

大切なのは、「自分がうまく話せるか」ではなく、「相手にちゃんと伝わるか」について考えること。無力な境地から力強い境地へ、すなわち「点数をつけられる側」から、「相手のために主体的に取り組む側」へ転換するということです。(30ページより)


■ 「自分の領域」の中だけで話す

持って生まれたもの、環境、周囲にいた人たちの性格や価値観、いままでに体験してきたこと、その日の体調や機嫌など、人にはさまざまな事情があり、本人にしかわからない「領域」をそれぞれが持っているもの。そしてこの「領域」という概念をしっかり持っておかないと、自分が傷ついたり相手を傷つけたりするといいます。

そこで「話す力」の基本として意識すべきは、「自分の領域」のなかだけで話すこと。具体的には、「私は」を主語にして、自分の事情や気持ちを話す。なぜなら、そうしないと相手の「領域」に踏み込むことになり、相手に嫌な思いをさせたり、思わぬトラブルを招いたりすることになるから。また「領域」を侵害された相手は防衛するため、協力してもらうことが難しくなることもあるそうです。

「自分の領域の中で話す」ということは、「相手の領域」を侵害しないということであり、また「自分の領域」に責任を持つということでもあるという考え方。「自分の領域」を知っているのは自分だけですから、そこに責任を持って初めて、コミュニケーションのバランスがとれるというわけです。(39ページより)


■ 「聴く力」を持つ

話し方に心を込めようと努力しても、それが相手のニーズからずれている限り、当たり障りのない「マニュアル口調」に聞こえてしまっても仕方がありません。つまり表面的なスタイルではなく、まずは相手が求めていることをていねいに聞くことが大切。コミュニケーションの基本は、聴くことだということ。

相手がなにを言っているのか勝手に決めつけずによく理解すると、こちらが話すことがより適切になり、「かゆいところに手が届く」感じになってくるといいます。

コミュニケーションに誤解はつきものですが、まずは自分が理解したことが正しいかどうかを確認することが、不十分なコミュニケーションをしっかり補完するといいます。具体的には、相手から聴いたことを自分の言葉で言いなおし、その理解で正しいかどうかをたずねる。しつこいと思われるのではないかと心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、相手の言いたいことを正確に理解しようとする態度は、相手を尊重しているという印象につながるといいます。(48ページより)

***

これらの記述からも、著者のいう「人格と人格のふれあい」の大切さがわかるはず。その考え方は本書の全体に貫かれていますので、通読すれば納得できることも多いのではないかと思います。

(印南敦史)

最終更新:7/5(火) 20:10

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