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防衛省行政事業レビューは信用できない その3

Japan In-depth 7/5(火) 0:50配信

米軍では弾薬などを扱うときは、必ず誤爆や事故に備えてボディアーマーを装着させる。

対して、自衛隊ではボディアーマーは装着しないで、ヘルメットだけを被らせている。これも米軍が奇異に感じるところだ。他国の軍隊では単にファースト・エイド・キットを配るだけではなく、このような負傷を防止あるいは局限する努力をしているが、この資料はこれらに関しても言及していない。

資料では「個人携行救急品を全隊員分確保した場合、約13億円が必要となるが、限られた予算においては現実的な金額ではない。よって、即応隊員分等の最低限必要となる分を確保し、有事等の際において追加で必要となる隊員分の取得方法について検討を実施している」としている。

これが現在のPKO用のキットをすべての隊員に配るのか、戦闘職種に配るのかは不明だが、たかが13億円、機動戦闘車2台分弱に過ぎない。最も基本的な装備の調達にこの程度の予算額を渋るのは極めて異様であり、人命軽視にも程がある。

○ 陸上自衛隊と米陸軍の個人携行救急品については、同等な部分はあるが、品目及び数量ともに少ない状況である。

○ 受傷直後に適切な処置を行い、救命率を向上させるためには、 個人携行救急品の内容品を拡充する必要がある。特に、弾頭ミサ イル対処等準備期間が極めて短いなか対応するにあたり、一定の保有数がなければ、即応事態に対応できないため、平素からの準備が重要となってくる。

○ 例えば、個人携行救急品を全隊員分確保した場合、約13億円が必要となるが、限られた予算においては現実的な金額ではない。

○ よって、即応隊員分等の最低限必要となる分を確保し、有事等の際において追加で必要となる隊員分の取得方法について検討を実施している。

○ 今後、様々な事態に応じるため、予算の効率的な執行を踏まえ、装備内容の充実を図っていく。

既に述べたように他国のファースト・エイド・キットはより進んでおり、痛み止めなどの支給や、個人装備の防御力を高めている。

これらの方策を取り入れるならば数十億円あるいは100億円以上の予算が必要だろう。その点から見ても「たかが13億円」をケチるのはやはり「戦争・戦闘は起きない」という平和ボケ思想が染み付いているのだろう。

だがゲリラ・コマンドウ対処や島嶼防衛における紛争はいつ起こるかわからない。「個人携行救急品」の優先順位が低いと断定するのは、我が国が直面する軍事的な脅威が存在しないと公言するのに等しい。であれば陸自の部隊は大幅に削減していいということになるだろう。

ひいては防衛費を大幅に減額していいということだ。そうであれば10式戦車や機動戦闘車、AAV7などは単なる「高価なおもちゃ」にすぎないということであり、それらに予算をつける必要性は極めて低い。事実防衛大綱でも大部隊の着上陸作戦の可能性は極めて低いとしている。

駆けつけ警護やゲリラ・コマンドウ対処、島嶼防衛などで隊員の命や手足を守ることよりも、必要性がほとんどない見栄えがいい「高価なおもちゃ」を買うこのとの方が、優先順位が高いのだろう。

駆けつけ警護が本年11月から可能となるが、駆けつけ警護で相当数の死傷者が出た場合、自衛隊の士気は大きくダウンするだろう。更に申せば、車輌やヘリなどに搭載する衛生キットも諸外国と比べてお寒い限りだ。最新鋭の10式戦車の衛生キットにしても箱はあるが中身は空だ。これらのお寒い現実に関しても、この資料では全く触れられていない。

そもそもPKO用と国内用にファースト・エイド・キットを分け、戦時には補充します、なんぞという寝言を言っている「軍隊」は自衛隊意外、他に存在しない。救急品は与えれば使用できるものではなく、常に身近に置いて相応の訓練をすることが必要である。

装着が簡単とされる止血帯CATですら、確実に使用できるようになるためには70回以上の訓練が必要である。これも世界的なSOFTT-Wへの以降の一因となっている。訓練無しではたとえ支給されても役には立たない。

しかも陸自では訓練よりも管理を優先させている。陸自ではCATの開封を禁じてビニール袋に入れたままにさせているのだ。これでまともな訓練ができるはずもない。ヨルダンやトルコのような我が国から援助を受けている途上国にしてもこのような間抜けなことはやっていない。

繰り返すが平時用のキットは粗末でいいというのは、戦時を想定していないということであり、ゲリラ・コマンドウ対処事態も、島嶼防衛事態も発生すると思っていないのだろう。何度も書いているが、それは「戦争ごっこ」に過ぎない。「戦争ごっこ」に血税を浪費するのであれば止めて欲しい。

また調達コストを削減する方策の模索もされていない。一括調達すればコストは下がる。またポーチは国内製だが、これを外国で生産すればコストは三分の一以下になるだろう。例えば必要数を調達し、併せてその半分の量を備蓄用として追加調達しても国内製の製品の半分のコストで調達が可能である。コストを下げる努力を真面目にしているとは思えない。そもそも止血帯は輸入品なのになにゆえポーチの類は国産にしなければならないのか。業者との癒着を疑われても仕方があるまい。

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最終更新:7/5(火) 0:50

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