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クリープハイプ尾崎世界観が処女作『祐介』で対峙した、過去の自分

ローリングストーン日本版 7/5(火) 17:00配信

InterFM897と本誌のコラボレーションで、毎月第3火曜日の夜21時から生放送でお送りしているラジオ番組『(Are You Rolling? )We Are Rolling』6月21日O.A分の一部を紹介。



ミュージシャンであり小説家としても知られるニック・ケイヴのロックバンド、ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズの『ディグ、ラザルス、ディグ!!!』でスタートした『(Are You Rolling?)We’re Rolling!』。DJを務めるのは、小誌シニアライターのジョー横溝。

今回のゲストは、最新号の特集「言葉」内コラムにて自身の作詞法について語ってくれている、クリープハイプの尾崎世界観。6月30日に初の小説作品『祐介』が刊行されるということで、小説の内容や執筆の様子について話を聞いてみた。誌面では "歌詞は家で寝転がって書いている"という現代人らしいエピソードを聞かせてくれたが、そんな彼がジッと机に向かい書き上げた処女作。そこに込められたメッセージとは? WEB版では、その一部を紹介する。

ミュージシャンが小説を書くということ

―6月30日に発売される尾崎さんの処女小説『祐介』についてお話を聞いていこうと思っているのですが。まずは、みなさんが慣れ親しんでいるクリープハイプ・尾崎世界観の詞の世界と小説はどう違うのか。

やっぱり携帯で寝転がって書く詞と曲があって、その上で歌詞が成り立っているんだっていうことに改めて気づきました。リズムもないし、音もないし、メロディもないっていう状態からどうやって伝えようかと考えると、やっぱり文字数が必要だし、それなりに研ぎすませた言葉じゃないと響かないんですよね。今回はそういうプレッシャーもありました。

―歌詞っていうのは割と抽象的に書かれていても音と一緒にどっかに連れて行ってくれるじゃないですか。小説にはそれがないでしょ。

"その辺" っていう感じじゃないですか? その辺に置いておいて、みたいな。"ちょっとこれどうしたらいい?" "その辺置いておいてくれたらいいよ" っていうのが歌詞。何となくその辺でも"そこにあるんだな"ってみんな理解してくれる。小説はもっと具体的に、例えば今マイクの前で喋ってることを伝えたかったら、どんなマイクか、何色のマイクか、マイクはどの辺にあるのか、角度は、とか全部書かないと伝わらないと思うので。それが大きかったですね。

―描写を伴うってことですね。今までに経験は?

ここまではなかったですね。"これだ!"って何かを閃いた時に、音楽だったら曲にして伝えるまで早いんですよね、スピードが。小説だと、アイデアが具現化されるまでに相当細かいことをやらないといけないので。

―頭の中に閃いてから表現として世に出るまでの時間が、小説と音楽だと全然違うと。

そうですね。まず世に出る以前に、自分の中で形として見えるまで大変でした。それまでの間に自分の中で冷めちゃったりして。

―さすがに、小説は携帯で書いてないですよね?

今回パソコンを生まれて初めて買って、Macで書きました。未だにDVD見るかWordしか使えないですけど(笑)。

―どうでした? 自分の中で冷めちゃうって言っていましたけど、机に延々と向かうわけじゃないですか。

しんどかったですね。学校の勉強を思い出しました。"大丈夫、書ける書ける! そのアイデア面白いから!"って自分で自分を励ましながら書いていました。

―ちなみに書き出したのっていつくらいですか?

去年の3月から始めたんですけど、本当に文字を書き始めたのは5月ですね。2カ月掛かりました。

―書き出してから一番大変だった時期って?

夏くらいですね。暑い中パンツだけ履いて汗かきながらずっとパソコンに向かって・・・キツかったです。

―あははは(笑)。割と変態でしょ!

僕、変態ですよ。

―小説を読んでいると変態の片鱗が(笑)。そこは間違ってないですよね?

間違ってないです。僕は変態です。

―素晴らしい(笑)。

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最終更新:7/5(火) 17:00

ローリングストーン日本版

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