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株価が下がるほど売り注文が増え、さらに株価が下がる理由。(塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 7/6(水) 5:00配信

株価が暴落する時、「誰が見ても安すぎる」水準まで売り込まれることがあります。それは、売りたくない人が売らされているから、なのです。

「上がると思う人が買い、下がると思う人が売る」という市場ではなくなってしまうわけです。今回は、売りたくない人が売らされる状況について、考えてみましょう。

■借金で株を買っている人が返済を迫られる
借金で株式投資を行っている場合、株価の暴落によって不安になった貸し手から返済を迫られることがあります。借り手の資産が減っているわけですから、貸し手が不安になるのは当然なのですが、借り手としては「暴落して、買いのチャンスだと思っていた時に返済を迫られて、反対に返済資金を捻出するために売らなければならない」というのは、大変不本意な事でしょう。

個人投資家が「信用取引」を行っていると、株価暴落の際に「追い証」を求められ、それが払えないと、泣く泣く保有株を処分せざるを得ない事があります。同様のことが、法人の投資家にも起きるわけです。法人の場合は更に、倒産すると保有している株式がすべて売却されることになりますから、安値での売りが大量に発注されることになるわけです。

■機関投資家の「損切り」も「売りたくない売り」
機関投資家の多くは、社内で「損切り」のルールを設けています。これは、担当者が一定金額以上の損失を抱えた段階で、一度持っている株を全部売り、しばらく頭を冷やすというルールです。

今期の損失が一定金額を超えると会社全体の決算が赤字になってしまう、といった経理部からの要請もあるでしょうし、損を抱えた担当者は冷静な判断が出来ないから、という理由もあるでしょうが、いずれにしても担当者にとっては不本意な売りを強制されるわけです。

損を抱えていない場合でも、「リスク・オフ」に伴って、保有株の一部を売りに出す場合もあるでしょう。「何が起きるかわからないから、とりあえず静かにしていよう」というわけです。担当者が「今はどう見ても安すぎるから、リスクはあるけれども持っているべき」と考えたとしても、上司から「株価が続落した場合、責任はとれるのか?」と問われると、抵抗するのは難しいでしょう。

■株価が下がるほど売り注文が増える
こうした売り注文は、株価が下がれば下がるほど増加します。株価が下がれば、「値ごろ感からの買い」が出るのが普通ですが、「売りたくない売り注文」が大量に発注されそうだと人々が思えば、「更に値下がりするのを待とう」と考えて買い注文が引っ込んでしまう可能性もあるでしょう。

初心者は、株価が暴落すると、この世の終わりが来るような気がして投げ売りをしたい心理に襲われます。これは「売りたくない売り」とは少し違いますが、株価が下がるほど売り注文が増えるメカニズムの一つです。

そうした状況を先読みして、投機筋が売りを仕掛けてくる可能性もあります。「株価が下がると、売りたくない売りが大量に出て、株価は更に大きく下がるだろう。今のうちに株を売っておいて、値下がりした所で買い戻そう」と考えて売り注文を出すのです。

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最終更新:7/6(水) 5:00

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