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なぜ選挙カーは名前を連呼し続けるのか

政治山 7/6(水) 12:30配信

 参院選は選挙区が広いため衆院選ほどではありませんが、時々選挙カーが自宅近くを通ります。陣営としては投票が近づくにつれてテンションも上がり、名前の連呼にも力が入ります。一方で、住民の立場からすると「同じ名前ばかり連呼して迷惑だ」と思うことも多いのですが、そもそもなぜ、選挙カーでは名前を連呼するのでしょう?

走行中の選挙カーは連呼しかできない

 公職選挙法では選挙カーでの選挙運動を禁じています。例外として、連呼行為と、停車した車上での演説を認めています。つまり、走行中の選挙カーでの演説は許されず、連呼行為しかできないのです。

 一方、駅前などに選挙カーを停めて街頭演説している陣営に対し、「ここは駐車禁止だ」と詰め寄る駅利用者もいます。しかし、街頭演説中の選挙カーは、各都道府県公安委員会の駐車規制から除外されており、違法ではありません(選挙期間中のみ)。

 選挙カーや街頭演説が煩わしいからといって、力ずくで車の進行や演説を妨害すれば選挙妨害の罪に問われます。

学校や病院周辺では連呼禁止

 また、公選法では学校や保育園、病院、療養施設の周辺では連呼行為を禁じているので、どこの事務所でもあらかじめルート上の施設をチェックしておき、対象の建物が近づいたらマイクをオフにします。

 この規定は、通常の閑静な住宅街には当てはまらないため、受験生や子どもを寝かしつけたばかりのお母さんなどは、選挙カーの往来にピリピリすることもあるかもしれません。

 事前運動や戸別訪問が許されない日本の選挙運動において、選挙カーでの連呼は名前を覚えてもらう貴重な機会となっています。

現行制度のままなら連呼行為は続く

 ネット上で連呼行為を検索すると否定的な意見ばかりで、評価する声はほとんどありません。選挙カーでの連呼行為は、現行の公選法上定められた選挙手法ですが、周囲への配慮を怠ると政治に対する有権者の嫌悪感を増すことにもなりかねません。

 以前見かけた光景ですが、ある選挙カーがベランダで手を振る主婦を見かけたときに「ベランダからの激励しっかりと受け止めました」とウグイス嬢が大きく手を振って答えました。その主婦は「早く離れて」と手を払う仕草をしていたのですが、そういった批判も声援と受け止めるのが、選挙の渦中にいるスタッフの心理状態です。

 選挙カーについて印象的なツイートがありましたので、最後にそれを紹介します。

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消防の時に選挙カーに向かって「うるせぇ!」って叫んだら「ご声援ありがとうございます」って返ってきた。その時僕は思った。政治家には住民の声なんて届かないんだなって。

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<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>

最終更新:7/6(水) 12:30

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