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今、日本の高速道路はどういう状況なのか

JBpress 7/6(水) 6:10配信

 インフラの老朽化が日本の大きな問題になっている。高度経済成長期に整備された道路、橋、上下水道、発電所などのインフラが耐用年数を迎え、目に見える形で劣化が進んでいるのだ。

巨大なプレキャストコンクリート床版(写真)

 日本の大動脈である高速道路も、まさにその問題に直面している。建設から約半世紀を迎えた高速道路は老朽化が進み、抜本的なメンテナンスやリニューアルが必要な時期にさしかかってきた。

 そうした状況の中、この5月にNEXCO中日本は東名高速、中央自動車道、北陸自動車道の大規模なリニューアル工事を開始した。橋梁の床版(しょうばん)の取り換え、防水加工、トンネルの変形やひび割れを防ぐインバート(補強のための底板)設置、道路わきの土手などを補強するグラウンドアンカーの施工といった工事を順次行っていく。総工事費は1兆円、工事期間は15年という一大リニューアルプロジェクトである。

 工事は、東名高速・静岡IC~焼津IC区間にある用宗高架橋(もちむねこうかきょう)からスタートした。老朽化している鉄筋コンクリート床版を道路から引きはがし、新しい床版に取り換える大掛かりな工事だ(写真1)。

 日本の高速道路はどういう状況になっているのか、なぜいま大規模なリニューアル工事に着手するのか。中日本高速道路 東京支社 静岡保全・サービスセンターの石橋善明 所長、竹沢正文 更新工事担当課長に話を聞いた(写真2)。

■ 建設時に想定していなかったこととは

 ──今、日本の高速道路はどういう状況なのでしょうか。

 石橋善明氏(以下、敬称略) 日本で最初の高速道路(名神高速道路・栗東IC~尼崎IC間)が開通したのは1963年です。それから、すでに53年が経過しています。東名高速も全線開通から約50年が経過しました。日本の高速道路全体を見わたすと、開通してから30年を超えている区間が4割に達している状況です。

 これまでは補修を重ねて、それなりの状態を保ってきました。しかし、これから何十年と高速道路を維持していくためには、やはりある程度大規模な補修をやっておかなければならない段階に入ってきました。このまま小さな補修だけで対応していると、急激に劣化が進んでくるかもしれないということです。

 ──造った当時の想定よりも劣化が進んでいるのですか。

 石橋 まず、これだけの車社会になって交通量が増えるとは、当時は想定していませんでした。また、車の大型化が予想以上に進みました。高速道路が開通したことでトラックによる輸送が増え、車がどんどん大型化していったのです。そして、特に問題になっているのが過積載です。過積載のトラックが走ると舗装の傷みが大きくなり、橋も衝撃が加わり、傷みがどんどん蓄積されていきます。

 ──今、高速を走る車の何割ぐらいがトラックなのですか。

 石橋 東名ですと3割ぐらいがトラックです。夜間になると急激に増えまして約8割がトラックという状況ですね。

■ 今すぐ橋が落ちるわけではないが・・・

 ──今回のリニューアルプロジェクトは橋の工事からのスタートです。橋の劣化が特に大きいということですか。

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最終更新:7/6(水) 17:30

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