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伝えられない医療改革、あらゆる世代が負担増に

JBpress 7/6(水) 6:15配信

 参議院選挙(7月10日投開票)がいよいよ今週末に迫ってきました。今回の選挙戦を見ていて残念なことがあります。それは医療改革についての議論がきわめて不十分だということです。

 現有議席が最大の自民党は、「総合政策集2016」の中で「国民が安心できる持続可能な医療の実現」を謳っています。

 具体的には、「後発医薬品の使用拡大、二重診療(過剰投与)の抑制、さらには給食給付(医療上必要なものは除く)など保険給付の対象となる療養範囲の適正化を図り、保険料負担をはじめ国民負担の増大を抑制します」とのことです。

 一方で、総合政策集には記載されていませんが、政府は方針として、年間8000億~1兆円の社会保障費自然増加分を年間3000~5000億円に大幅に抑制することを打ち出し、2015年12月には「経済・財政アクションプログラムの工程表」を完成させています。

 この工程表には、あらゆる世代にとって負担増となる具体的な患者負担増・給付抑制策が列挙されています。

 ところが、このことはほとんどマスコミに取り上げられていません。国民的議論が行われることなくこのまま投票を迎えるのは、とてももったいないことだと思います。

■ 2016年4月から行われている自己負担増

 「経済・財政アクションプログラムの工程表」の中で2016年4月からすでに導入されているのは、紹介状を持たずに大病院で受診する際の窓口負担増(参考:「本当の狙いは? 『大病院で再診2500円』のインパクト」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46502)、そして入院時の食事代の患者負担増です。

 紹介状を持たずに大病院で受診すると、初診5000円や再診2500円の自己負担が追加されます。診察中心の標準的なケースでは自己負担は約2倍に増えることになります。また、入院時の食事代の患者負担額も「1食あたり260円から460円へ」と実に70%もの値上げとなっています。

 今までが安く済んできたという事情があるとはいえ、いずれも自己負担金額の増加割合で考えると、倍近くの急激な値上げが行われています。

■ 2016年度内に実施決定が見込まれる負担増政策

 参院選後に実施されることが見込まれる医療改革も、同様のインパクトを自己負担に与えるものばかりです。

 経済財政再生計画の工程表の中で、「2016年度中に法案提出および実施を目指す」と明記されているのは、以下の通りです。

 ・「かかりつけ医」以外の受診で窓口負担増
・保険給付は後発医薬品までとし、先発医薬品との差額は自己負担
・入院時の居住費(水光熱費)の負担増
・市販類似医薬品の負担増や保険外し
・70歳以上の患者負担上限額引き上げ
・介護利用料の1割から2割負担へと、負担上限度額引き上げ
・「軽症者」の福祉用具貸与などの保険外し

 これらの狙いと効果、インパクトについて見ていきましょう。

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最終更新:7/6(水) 6:15

JBpress

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