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サーキットに出かけよう Vol.02「モータースポーツは大人の新たな社交場だ」

GQ JAPAN 7/7(木) 23:01配信

これまで日本ではあまり見られなかった優雅な観戦スタイルが、私たちの身近なサーキットでも徐々に定着しつつあることをご存知だろうか?

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ホテルのバルコニーでシャンパングラスを傾けながら、疾走するレーシングカーの一群を見下ろす……。ホコリまみれの椅子に腰掛け、風と強い日差しを浴びながら観戦する国内のレースファンにはあまりにも現実離れしたシチュエーションだが、F1モナコGPなどヨーロッパのビッグイベントでこうした優雅な観戦スタイルが定着している背景には、「もともとモータースポーツは競馬などと同じ上流階級のためのスポーツ」という意識が強く影響しているように思う。

もちろん、海外のビッグイベントでも野ざらしの観客席は数多くある。いや、そちらのほうが圧倒的多数だ。けれども、たとえばイギリスの競馬であれば馬主やイベントスポンサーをもてなすための特別な施設が用意されていて、静かで快適な環境のなか、ぜいたくなランチがシャンパンやワインとともに振る舞われる伝統がある。

そこで彼らは共通の関心事であるスポーツについて語り合ういっぽうで、経営者や管理職の立場でビジネスに関する情報交換をおこなったりもする。いわば、それは屋外の観客席とは別世界の、上流階級のための社交場なのだ。

ところで、これまで日本ではあまり見られなかったそんな観戦スタイルが、私たちの身近なサーキットでも徐々に定着しつつあることをご存知だろうか?たとえばスーパーGTが開催されている富士スピードウェイや鈴鹿サーキットでは、ピットビル内に設けられた特別な部屋で自動車メーカーなどがホスピタリティサービスを行っている。

今回は、スーパーGT第2戦が開催中の富士スピードウェイでメルセデスベンツとアウディが運営するホスピタリティルームを取材したので、その優雅な世界を紹介することにしよう。

まずはメルセデス・ベンツから。

黒、銀、白の3色で統一されていることからもわかるとおり、彼らのホスピタリティルームはAMGブランドをテーマとしてデザインされている。この部屋でくつろいでいるのは、正規ディーラーでメルセデス・ベンツを購入したオーナーたち。

彼らのもとには各ディーラーから「次回のスーパーGTでホスピタリティサービスを実施しますが、参加されますか?」との案内が届き、これに応募した人たちから選ばれたおよそ90名が招待される。各ゲストにはサーキットの入場券、ホスピタリティルーム入室に必要なパスのほか、フラッグなどの応援グッズやプログラムなどがプレゼントされ、予選日はドリンクサービス、決勝日にはランチサービスが実施される。

また、スタート前にはAMG系チームのドライバーが出席してのトークショーやサイン会が催されるだけでなく、長丁場のレースではゲストが退屈しないようにネイルサービスやマッサージサービスなども実施されるという。

いっぽうのアウディのホスピタリティルームは、赤と白を中心とした落ち着きある雰囲気が印象的。しかも、AMGと同じスペースに招かれたゲストは30組60名とやや少なく、それだけによりゆったりとした空気が漂う。なお、各正規ディーラーから招待されるのは長年の上顧客に限られ、「正規ディーラーで購入したオーナーであれば誰でも応募可能」なメルセデスとはややスタイルが異なる。

もっとも、実施されるサービスはメルセデスと基本的に同じで、参加者には食事やドリンクが振る舞われ、スタート前にはドライバーが出席してのトークショーが催される。いずれにしても、静かで清潔な空間から白熱したレースを楽しめることは間違いない。

AMGホスピタリティルームの運営を担当するメルセデスベンツ・ラウンジ事務局の藤原猛史氏は「F1や海外ビッグレースの影響で、日本にもホスピタリティルームでレースを楽しむというスタイルが段々定着してきたように思います。それも、マニアックなファンだけでなく、奥様連れ、家族連れで来場されるお客さまが多く、まるでテーマパークを訪れるような感覚でサーキットに足を運んでくださっています。これはとてもいい流れだと捉えています」と語る。

言い換えれば、ホスピタリティルームがファン層の拡大に一役買っているというわけだ。

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最終更新:7/7(木) 23:01

GQ JAPAN

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