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C・ロナウドとベイル、“絶対的エース”の明暗。役割の相違から生まれた、ゴール前での違い

フットボールチャンネル 7/7(木) 11:13配信

 EURO2016準決勝であいまみえたウェールズ代表とポルトガル代表。ともにレアル・マドリーで活躍する“絶対的エース”の対決に注目が集まったが、チームを勝利に導いたのはクリスティアーノ・ロナウドだった。対照的に鋭さを失ってしまったギャレス・ベイルだが、両者の明暗はどこで分かれたのだろうか。(文:海老沢純一)

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対照的なC・ロナウドとベイル

“絶対的エース”が存在するチームは強い。チーム作りの段階では攻撃の形が作りやすく、実際の試合において確固たる得点パターンを持つことは勝利に大きく近づくことになる。

“絶対的エース”と一言に言っても、そのタイプは様々。たとえば、どのような状況においても自らのスタイルを貫くことで周囲を牽引するタイプ。逆にチームのために必要とあらば本来の役割を超えたプレーも厭わないタイプ。好感が持てるのは後者かもしれないが、どちらが正解ということはない。

 そんな対照的な“絶対的エース”を持つチームの激突となったのがEURO2016準決勝、ウェールズ対ポルトガルの一戦だった。

 ポルトガルのエース、クリスティアーノ・ロナウドは常に前線で得点機会を伺い、相手のボール保持時には体力を温存する。そのため、試合展開次第ではボールに触れる機会が減り、試合から消えてしまうこともあるが、その反面1発で仕留める機会も多々ある。

 ウェールズのエース、ギャレス・ベイルは周囲とのバランスに気を使い、その試合の中でチームのウィークポイントとなっている部分があれば自らがカバーに回る。チームが悪い立ち上がりであっても、大崩れすることはない。しかし、決定的な存在となることが期待されている中で鋭さを失う可能性も低くはない。

 どちらにも長所と短所が存在するが、この試合に限って言えば、ロナウドの長所、ベイルの短所が出る結果となった。

ラムジー不在によって役割が増えたベイル

 ポルトガルは、まず立ち上がりから前線に人数をかけて攻撃に比重をおくことを選択した。ポルトガルのフィールドプレイヤーがボールを持ってプレーした位置を見てみると、前半45分間は敵陣が半数以上の57.91%となっていた。

 逆にウェールズは自陣で70.69%。ただ、ウェールズはここまで体を張った守備を武器に快進撃を続けているチーム。この状況は決してネガティブなことではない。

 クリスティアーノ・ロナウドは、この前半45分間でシュート2本。ウェールズ守備陣に対して有効な手を打てず、ポルトガルのエースも沈黙していた。

 対するウェールズにも誤算はあった。これまでパスの出し手としてベイルを支えていたラムジーが出場停止。ここまでの戦いでは、5バックが守備ブロックを作り、ベイルのスピードを生かしたカウンターを武器としていたが、この試合ではDFラインとベイルのつなぎ役が不在だった。

 すると、この状況にベイルはラムジーの役割を自らが買って出る。ここまでの5試合ではパスの受け手として、ボールタッチは平均58.2回、パスは平均32.6本だったが、今回はボールタッチ75回、パス45本とどちらも大幅増。その一方で、ドリブル突破の回数は5試合平均4.04回から今回は2回と通常より少ない数となっていた。

 ベイルがボールを持つと、何かが起こる期待感はある。しかし、中盤と前線と2つの役割を務めることとなってしまったこの試合では、その鋭さは失われていた。

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最終更新:7/7(木) 11:16

フットボールチャンネル

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