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中国に続いてロシアにも、なめられる米海軍

JBpress 7/7(木) 6:15配信

 地中海東部海域で、アメリカ海軍空母部隊に属するイージス駆逐艦とロシア海軍フリゲートが“異常接近”する事態が発生し、ロシア当局もアメリカ当局も互いを非難し合っている。

■ ロシア側は米軍艦の条約違反を主張

 ロシア国防省によると、地中海東部公海上において6月17日、ロシア海軍フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」(ネウストラムシイ級フリゲート)の左舷60~70メートルにアメリカ海軍イージス駆逐艦「グレーヴリー」(アーレー・バーク級駆逐艦)が接近し、フリゲートの進行方向前方180メートルを横切る形で追い越した。

 「ロシア軍艦はアメリカ軍艦に対して何ら危険な行動はとっておらず、アメリカ駆逐艦による一方的に危険な操艦であった」とロシア側は主張する。そして「このアメリカ駆逐艦の行動は、海上での船舶の衝突を防止するための国際ルールに対する著しい違反行為である」とアメリカ側を厳しく非難した。

 ロシアのメディアは、「1972年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約」(COLREG)の第13条と第15条をアメリカ駆逐艦が無視して、ロシア艦に対して危険きわまる操艦を行ったと報道している。

 第13条では「他の艦船を追い越す場合には、追い越す側の船は、追い越される側の船の針路を避ける形で追越さなければならない」、第15条では「右舷側に他の艦船が航行している場合、左側の船(今回の例ではグレーヴリー)は右側の船(ヤロスラフ・ムードルイ)に針路を譲り、その船の前方を横切ってはならない」と定められている。

 「RT(ロシア・トゥデイ)」(ロシア国営のニュース専門局)や「スプートニク」(ロシア政府系メディア)は、一見アメリカ軍艦の条約違反を裏付けるともみなし得る動画をインターネットに配信した。

 続けてロシア側は「アメリカ当局は、プロ意識が欠落しているロシア軍のパイロットが米軍艦に対して危険な接近飛行を繰り返している、との非難を繰り返している。だが、今回のアメリカ駆逐艦の危険な操艦を見れば、どちらの海軍がプロフェッショナリズムを欠いているのかは明らかである」とも言い立てている。

■ アメリカ側はロシア艦の「妨害行動」を非難

 このようなロシア政府の強い非難に対して、アメリカ国防当局もロシア側を非難している。

 アメリカ海軍によると、グレーヴリーとヤロスラフ・ムードルイのコンタクトは1時間以上にわたるものであり、公開された動画は両艦のやり取りのほんの一部に過ぎないとのことである。そして「アメリカ駆逐艦の作戦行動に対して妨害的な動きを繰り返していたのはロシア海軍フリゲートであった」という。

 そもそも、グレーヴリーは同海域でIS攻撃作戦実施中の米空母「ハリー・S・トルーマン」を護衛中であった。ロシア海軍のヤロスラフ・ムードルイは、明らかに米空母トルーマンによるスムーズな作戦行動を妨げる意図が見て取れる動きを示していた、と米側は主張している。

 ヤロスラフ・ムードルイは米空母からはおよそ8キロメートル、米駆逐艦にはわずか300メートル程度の距離に接近して“つきまとって”いた。また米軍側によると、「ヤロスラフ・ムードルイ」の艦橋には「我が艦の操縦機能に難あり」という意味合いの国際信号旗が掲げられていたという。ところが、ヤロスラフ・ムードルイがさらに米空母トルーマンに接近を企てたためグレーヴリーが変針したり速度を変化させると、操縦に問題が生じているはずのこのフリゲートは、それに対応して自由自在に機動した。

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最終更新:7/7(木) 6:15

JBpress

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