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アップル、iPhoneのアプリでドナー登録可能に

JBpress 7/7(木) 6:00配信

 米アップルは7月5日、この秋にリリースする予定のiPhone向けアプリで、ドナー登録ができる機能を米国で提供すると発表した。

■ クックCEOの経験や想いが背景に

 臓器提供に関する教育・啓発活動を行っている米国の非営利団体、ドネート・ライフ・アメリカ(Donate Life America)と連携し、iPhoneから直接、同団体が管理するドナーリスト「National Donate Life Registry」に登録できるようにするという。

 アップルとドネート・ライフ・アメリカが共同で出した発表資料によると、米国では現在12万人以上が臓器移植を待っており、その待機リストには10分に1人、新たな患者が加わる。

 一方で移植待機患者は1時間に1人の割合で死亡している。1人のドナーの臓器で最大8人の命が救え、眼球と細胞組織では、さらに多くの患者の病気を治せる可能性があるという。

 「ドナー登録していない場合、愛する人を突如失った家族は最悪の状況の中、決断を委ねられる」とし、アップルとドネート・ライフ・アメリカは、ドナー登録の機会を広げる必要性があることを訴えている。

 米ウォールストリート・ジャーナルは、アップルのこうした動きには、ティム・クック最高経営責任者(CEO)の経験や想いがその背景にあるようだと伝えている。

 アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏は、生前に肝臓の移植手術を受けたが、その当時クック氏は自身の肝臓の一部を提供することを申し出ていた。ジョブズ氏はその3年後に膵臓ガンで死去した。

■ 数回のタップでドナー登録

 アップルはこの秋にiPhone向けOS(基本ソフト)の新版「iOS 10」をリリース予定。それに伴い健康管理アプリ「Health」(日本語の名称は「ヘルスケア」)を刷新する。

 このHealthアプリの新版では、サインアップ時に臓器移植への理解を深める情報を提供するほか、臓器や眼球、細胞組織のドナーとなるための登録を数回のタップ操作でできるようにする。

■ ロック解除しなくてもアクセスできる「Medical ID」

 Healthアプリは、2年前の秋にリリースしたiOS 8からiPhoneに導入された。このアプリには「Medical ID(メディアカルID)」という項目があり、ここに病気やアレルギー、薬、血液型、臓器提供の意思、緊急連絡先といった情報を記録しておける。

 そして、これらの情報はiPhoneのロック画面にある「緊急(電話)」からアクセスできる。つまりiPhoneの利用者に不測の事態が起きた場合、救急隊員などがロックを解除することなく、これらの情報を見ることができる。iOS 10のHealthアプリでは、このMedical IDにドナー登録の機能が加わることになる。

 臓器提供については、フェイスブックが2012年から、そのシャーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で啓発活動を行っている。

 フェイスブックの場合、ユーザーが自身のページで臓器提供の意思を示すことができる機能を提供。また関連団体のウエブサイトへのリンクを設け、公式に臓器提供者として意思表示するための手続き方法を案内している。

小久保 重信

最終更新:7/7(木) 6:00

JBpress

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