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帝京高校野球部の練習はとにかく怖かった お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈19〉

BEST TIMES 7/8(金) 18:00配信

夏本番! プロ野球、高校野球と盛り上がりを見せるなかで四国にも「熱い」野球人がいる。お笑いコンビ・360°モンキーズの杉浦双亮は、芸人と野球選手の二刀流に挑戦している。そのいまとは? 

怖かった帝京高校時代

 暑い季節がやってきた。夏だ。
 帝京高校野球部時代を思い出せば、監督は怖かったし、練習もきつかった。4、5時間バッティング練習をして、最後の30分くらいでノックをして終わる。そのあとプールメニューがあったり、ウエイトトレーニングがあったりしたけれど、基本的にはそのふたつが主たるメニューだった。

 怖かったのは、それ以外、どんな練習をするのかがまったく分からなかったことだ。監督が「次はダッシュだ」と言えばダッシュ。「インターバル走をするぞ」と言えばインターバル走。しんどかったのは「手押し車」。ふたり一組でやるトレーニングで、両手を地面につき、両脚を相方に持ってもらって、手の力だけで前に進んでいくもの。体力的にきついのもそうだけど、地面ついた手のひらが痛かった。

 どんな練習になるか分からないから、何時に終わるかも分からない。いつも思っていたことは、「どこで体力を温存すればいいか」ということだった。

「いまやっている練習で体力を使ってしまったら、次の練習はもたないぞ……」

 もちろんすべての練習に全力で取り組んでいた。けれど、特に体力がまだない1年生の頃は特に、それが完璧にできるほど体ができているわけではなかった。だから、次の練習がなんなのか分からないことに恐怖があった。
 いま振り返れば、いい思い出だ。

 ときは流れて、あれから20数年が経った。
 いまは、練習内容も終わる時間も全部が分かる。ホワイトボードにその日にやるメニューの順番、時間、すべてが書かれていて、システマチックに管理されているからだ。

「ハーフガス」? なんだそれ。

 練習内容も、昔とはまったく違うものばかりだ。
 ハーフガス、シャトルランニング、プロアジ(プロアジリティ)……。はじめて、愛媛マンダリンパイレーツの練習メニューを見たとき、「あれ、俺いまから野球の練習をするんだよな」と思ったくらい、聞いたことのない言葉が並んでいた。
 いまでは多くの人が知っている「体幹トレーニング」すらなかった僕らの高校時代といまでは、ずいぶん野球そのものが変わったのだなあ、と思った。
 よく、昔よりピッチャーの球速が上がっている、と聞くけど、それも当然だなあと、こうした練習メニューの豊富さを知ることで納得をした。

 入団当初は、体力や技術云々の前に、そうした言葉の違いに戸惑っていたけれど、ひとつひとつ説明してもらい、教えてもらうことでだいぶ僕も慣れてきた。
 思えば、入団当初、僕の体力トレーニングメニューはほかの選手よりだいぶ少なかった。これは、膝の怪我があったことや、体力的なことを考えて、コーチが負担が過度にかからないように配慮してくれたからだったのだけれど、そのメニューをこなすことすらしんどかった。翌日は体がパンパンに張っていたし、キャッチボールすらきついときもあったくらいだ。それがいまでは若い選手たちと同じメニューをこなすようになっている。体がしんどいときもあるけれど、それもだいぶ和らいだ。なにより、同じメニューを提示されているということは、コーチも僕に気を使うことがなくなった、ということだ。その点で少し成長したところなんじゃないだろうか、と思っている。
 とは言っても、ランニングのタイムは若い選手にまだまだ追いつかないのだけれど(笑)。

 体のことで言えば、これも僕の高校時代にはなかったテニスボールを使った肩周りのストレッチや、ストレッチポールといった道具の発達によって、ひとりでもケアができるようになったことも大きい。家に帰ったらテニスボールが手放せないし、ストレッチポールに寝転がっているだけで翌日の体への疲れの残り具合もだいぶちがう。ぜんぶ自分でできることで、効果もあるのだから、これも昔とは大きくちがうところだ。

 野球の進化に驚きながらも、この歳でそうした最先端を垣間見られることに幸せを感じる。正直に言えば、生活はめちゃくちゃ苦しい(笑)。毎月の収入は十万円に満たないから、東京にある家の家賃だけでほとんどなくなってしまう。
 でも、今年はそうしたことも辛抱して、できる限り挑戦したいと思ってきたから、新たな気付きの毎日に、野球をやれる幸せを感じることができるのだと思う。

 でもだからこそ、絶対に結果を出したいとも思う。

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最終更新:7/8(金) 18:00

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