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ドキュメンタリー映画『ラスト・タンゴ』特別映像、ヘルマン・クラル監督らがタンゴを語る

リアルサウンド 7/8(金) 11:47配信

 7月9日に公開されるドキュメンタリー映画『ラスト・タンゴ』より、ヘルマン・クラル監督とマリア・ニエベス、フアン・カルロス・コペスのインタビューを含む特別映像が公開された。

 本作は、アルゼンチン・タンゴに革命を起こしたタンゴ・ダンサーの半生を浮き彫りにしたドラマティック・ドキュメンタリー。50年近くコンビを組んで踊り続けたマリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペスの、心の揺らめきをタンゴ・ダンスで描く。

 『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ 』『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち 』のヴィム・ヴェンダースが製作総指揮を務め、『不在の心象』『ミュージック・クバーナ』のヘルマン・クラル監督がメガホンを取った。壮年期のコペス役を『タンゴ・レッスン』で本人役を演じたダンサーのパブロ・ベロン、青年期のコペス役を2014年のタンゴダンス世界選手権ステージ部門で優勝したフアン・マリシア、壮年期のニエベス役を日本でもデモンストレーションを行っているダンサーのアレハンドラ・グティ、若きニエベス役を2015年のタンゴダンス世界選手権ステージ部門のファイナリストに選ばれたアジェレン・アルバレス・ミニョがそれぞれ演じる。

 『ラスト・タンゴ』に収録されている楽曲は、ニエベスとコペスが世界的に注目されるようになった“タンゴ・アルヘンティーノ”公演のフィナーレ曲で、六重奏団セステート・マジョールの「ケハス・デ・バンドネオン~バンドネオンの嘆き」や、アニバル・トロイロ楽団が1940年代に録音したバージョンの「ジョ・ソイ・エル・タンゴ~私はタンゴ」、フアン・ダリエンソ楽団による「デ・アンターニョ~昔風に」など多様なスタイルのタンゴ音楽が使われている。また、六重奏団セステート・マジョールにより本作に提供された楽曲は全20曲で、そのうち13曲は、新たに録音されたものが使われている。

 このたび公開された特別映像では、クラル監督が『ラスト・タンゴ』を制作したキッカケや、ニエベスとコペスがタンゴに対する想いを語る姿とともに、メイキング映像などが収録されている。

■ヘルマン・クラル監督コメント
映画の始まりとはいつでしょうか。スクリーンに映像がフェードインしてくる時の話ではありません。1つの作品のアイデアが形になり始める瞬間のことです。お産のように押し出され、この世に生を受ける瞬間とは?
ブエノスアイレスで初めてマリア・ニエベスに会った瞬間のことは今でも鮮明に覚えています。深夜のことでした。ミロンガ(※アルゼンチン・タンゴを踊る場所)の外でタバコを吸っていた彼女に、タンゴをテーマにした映画を撮りたいのでぜひ話を聞かせてほしいと頼んだんです。とても親切でチャーミングな印象を持ちました。その後も基本的にはそのイメージ通りの女性でした。マリアは2日ほど彼女の自宅で会う約束をしてくれました。
そして彼女の家のソファに座り、話をし始めて30秒後には“この人を撮らねばならない”と確信を持ったこともよく覚えています。
また、マリアとの出会いの数日後、フアン・カルロス・コペスの伝記『Quien Me Quita Lo Bailado?(原題)』を読んだ時に感じたこともはっきりと覚えています。ページをめくりながら、タンゴ史上最高のペア、マリアとフアン両方を描いた作品にしたいという思いで頭がいっぱいになったんです。
それから数年が経ちました。この作品の製作は一筋縄ではいかず、その旅路は感動と困難と危険の連続でした。
ただ、道のりの中で素晴らしいアーティストたちと出会い、共に作品を創ることができました。まず誰よりもマリアとフアン、そしてダンサーや振付師たち。皆が全力を尽くして息を飲むようなパフォーマンスを生み出してくれました。裏方のスタッフも非常に優秀な者たちばかりでした。映画への愛に溢れ、この作品を最高の映画にすべく心血を注いでくれました。私と困難な旅路を共にしてくれた、勇気ある共同製作陣にも心の底から感謝しています。
そしてミュンヘン テレビ・映画大学の恩師であり、今回も私に親身に寄り添ってくださったヴィム・ヴェンダースにも感謝したい。彼の寛大な力添えにいつも助けられています。
『ラスト・タンゴ』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映されることを非常にうれしく思います。もう何年も前ですが、同じ映画祭で私自身の両親をテーマにした卒業制作作品『不在の心象』を上映して頂きました。こうして見ると、私たちは人生を一本の真っ直ぐな線だと考えがちですが、実際には円を描いていることが多いようです。まるでタンゴのように。(2015年7月、ミュンヘンにて)

リアルサウンド編集部

最終更新:7/8(金) 11:47

リアルサウンド

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