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米国で「セルフビアサーバー」が増加 バーテンダーはいらなくなる?

Forbes JAPAN 7/8(金) 18:00配信

6月末、フード&レストラン情報サイト「グラブストリート(Grub Street)」に、バーテンダーの疲労に関する記事が掲載されていた。バーテンダーたちはストレスと肉体疲労で消耗しきっており、その疲れを癒すためにピラティスがいいという内容だった。



その中で私の目を引いたのは、次の文章だ。「意欲的なバーが増えるなか、バーテンダーの仕事は専門職化しており、より多くの人がバーテンダーを本物のキャリアとして追求しつつある。つまり5年や10年だけではなく、いかにしてその仕事を長く続けるかが重要になっている」

バーという場所についての概念が年月と共に進化を遂げるのと同様に、バーテンダーの役割もまた進化してきた。そして消費者文化の中で料理人が裏から表に出てきたのと同様に、バーテンダーもまた、バーカウンターの向こう側からテレビや出版の世界へと進出した。

だが飲酒文化において、アルコールとファストカジュアル(ファストフードとファミリーレストランの中間の新業態)は急速に混ざり合いつつある。たとえばコーヒーチェーン大手のスターバックスは、一部の店舗でビールとワインの提供を試験的に始めた。これは書店チェーンのインディゴ/チャプターズが、書店内にスターバックスを併設して以来の大変革だ。

レストランを訪れる客はますますセルフサービスに慣れてきており、自分でビールを注ぐようになるまでもあと一歩だと言える。カナダやアメリカ各地のバーには、数年前から客が自分でビールを注ぐことのできる、ビールサーバー付きテーブルが出現しているが、今では壁に備えつけのサーバーの方が増えてきている。

ポア・マイ・ビール(Pour My Beer)などの店では、客とスタッフの交流は最小限、支払いはID情報が搭載されたICカード(RFID card)で行うセルフサービス形式をとっている。

面倒な客に対応する代わりに、お酒作りに力を注げる

来年シカゴにオープンする予定のタップスター(Tapster)も「ポア・マイ・ビール形式」を採用しており、客はクラフトビール、ワイン、プロセッコからカクテルに至るまで、4オンス(約120ml)からサイズを選ぶことができる。法的責任の問題にも対処するために、2杯購入するごとにサーバーがストップし、スタッフが客の様子を確認してから再開する仕組みになっていると、ポア・マイ・ビールはウェブサイトで説明している。

考案者たちによれば、ポア・マイ・ビールのシステムは面倒な客への対応という給仕スタッフの負担をなくすものだ。「このシステムを導入すれば、スタッフはもう苛立った客の口笛や、大声で呼びながらドル札を振りかざす仕草に耐えないで済む」と、同社のウェブサイトは約束している。「その分、彼らはより美味しいカクテルづくりやより良いサービスの提供に力を注ぐことができる。ウィン・ウィンだろう?」

このシステムがさらに普及すれば、バーテンダーたちは楽に仕事ができるようになり、ストレスからも解放されるだろう。アルコール業界が次に企んでいることは、客に自分でグラスを洗わせることだろうか。

Leslie Wu

最終更新:7/8(金) 18:00

Forbes JAPAN

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