ここから本文です

ホーチミンの古アパートから発信! 新世代が生み出すベトナムの最新トレンド

CREA WEB 7/8(金) 12:01配信

ムーブメントを巻き起こす「9X世代」

 ベトナムといえば、天秤棒をかついだおばちゃんたちが行き交い、シクロが街を走る……、そんな古き良きアジアの風景を想像しがちですが、ホーチミンやハノイの都市部では今風の洋服に身を包む人が増え、おしゃれなお店も急増しています。

 それらのトレンドを牽引するのは1990年代生まれの若者たち。インターネットや最新機器を難なく扱い海外情報にも精通。伝統や習慣にとらわれることなく自由な感性で生きる彼らは「9X(チンイクス)」世代と呼ばれ、独自のスタイルで新たなムーブメントを創造しています。

 たとえば、彼らが創るブティックやカフェは、日本にあってもおかしくないほどのオシャレっぷり。むしろ、フランス領時代から続く西洋文化がミックスされたベトナムの土壌を生かし、なかなか日本では創れないような空間もそこかしこに見ることができます。

 そんな9X世代の牙城とも呼べるのが、市内各所に残る古いアパートです。

 なかには100年以上の歴史をもつものもあり、外観や内部は“超”がつくほどのローカル感があふれていますが、一般住宅に混ざって各フロアには小さなショップやカフェが点在。ただの住居だったボロボロの1室を改装することで、初期費用を可能な限りおさえながらも居心地の良い空間を作りだし、自らの感性を存分に発揮した個性あふれるサービスを提供しているのです。

 そして、これらの古アパートは今や地方から旅行にやってきた若者がこぞってアパート巡りをするほどの人気で、今のベトナムを代表する街歩きスポットとなっています。

新進気鋭の埋もれた才能を世に送り出す

 アパートにあるお店はショップやカフェが中心で、そのなかのひとつ「ザ・メーカー・コンセプト」は隠れた才能を応援するセレクトショップ。実力や才能、アイデアが溢れてはいるけれど、その作品を発表する機会のない新進気鋭のデザイナーや作家たちのオリジナルアイテムを展示・販売し、夢を追いかける作り手の登竜門にもなりつつあります。

 作り手も若手限定ではなく、「年齢を問わず熱意と才能がある人は大歓迎」とのこと。これまでモダンなものはその大半が外国製でしたが、店内にはベトナム発の洋服ブランドや雑貨など、他国に引けを取らないようなアイテムが所狭しと並び、日本人好みのものも少なくありません。

 また、ザ・メーカー・コンセプトは、ショップのほかにも同じアパート内にカフェもオープンしており、若い作り手が集まってはディスカッションや公演、プレゼンテーションなどを行うワークショップを随時開催。現地の作り手のたまり場的存在であり、仲間同士で刺激しあう、そんな場としても愛されています。

 このように、古びた建物の中に入るのに少し勇気は必要ですが、入ってしまえば新旧がほどよく溶け合った絶妙のお洒落スポットであるホーチミンの古アパート。街歩きの際は路面店だけでなくビルの上を見上げてみれば、きっと興味をそそるお店が見つかるはずです。

The Maker Concept
所在地 1&3F, 42 Nguyen Hue St., Dist.1, HCMC
電話番号 93-181-7702
FacebookページURL https://www.facebook.com/themakerconcept

杉田憲昭(すぎたのりあき)
ベトナム・ホーチミン市在住のエディター&フォトグラファー。広告代理店・編集プロダクション「GRAFICA」代表。日本で編集者として活躍後、渡越。在ベトナムは10年を超える。女性誌や旅行誌、機内誌などの取材・撮影・コーディネートを通じ、幅広くベトナム情報を発信中。

杉田憲昭

最終更新:7/8(金) 12:01

CREA WEB

記事提供社からのご案内(外部サイト)

CREA

文藝春秋

2016年12月号
11月7日発売

定価780円(税込)

おいしいもの、買いたいものいろいろ
贈りものバイブル

毎日使いたいベストコスメ発表!
村上春樹「東京するめクラブ」より熊本再訪のご報告

ほか

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。