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東京自転車少女。の舞台、練馬区を“ポタリング”

東京ウォーカー 7/9(土) 10:00配信

【連載】聖地巡礼さんぽ~あの作品の街へ~Vol.15

漫画や映画、ドラマなど、人気作品の舞台となった街を散策し、“住みたい街”としての魅力を深堀していく本連載。ここからみんなの“住みたい街”が見つかるかも?

【写真を見る】「東京自転車少女。11」(わだぺん。/アース・スター エンターテイメント/648円)。

第15回はコミック アース・スターで連載され、16年3月に最終巻が発売された、わだぺん。の漫画「東京自転車少女。」。自転車天使部(チャリーズエンジェル)の女子高生4人が練馬区周辺を巡り、街の魅力を発見しながら絆を深めていく青春物語。

高校の部活「自転車天使部(チャリーズエンジェル)」所属の4人は、田舎から上京したばかりの主人公・島野いるか、彼女のルームメイトで美少女の加藤さん(いずれも1年生)、江戸っ子気質の2年生・川越彩果(さいか)、ひざまくらでメンバーを癒す部長、3年生の松竹梅雪見(しょうちくばいゆきみ)。彼女たちが自転車でぶらついた(ポタリング)スポットを巡りながら、練馬区の魅力を紹介する。

■ 「桜台陸橋」

第1話に登場するのが「桜台陸橋」。東京生まれで東京が嫌いな加藤さんは、街でいるかと出会い「桜台陸橋」を渡っていた。そこで、空が広くさえぎる建物もない、都心ではあまり見かけない景色に彼女は一瞬目を奪われる。そして「東京をすぐ嫌いになる」という加藤さんに、いるかは「あなたの知らない東京がまだある」と話す。その時の加藤さんはいるかを相手にしないが、その後自転車で街を巡っていく中で、徐々に心境の変化が生まれていく。

桜台駅の近くにある「桜台陸橋」からは、線路の先に池袋の高層ビル「サンシャイン」が見える。線路を「光の河」と喜ぶいるかと、都心の池袋を寂しそうに見つめる加藤さんの対照的な表情が印象的だ。

「練馬を舞台にした一番の理由は、自分が15年以上住んでいて、取材がラクだから(笑)。あとは、あまり田舎すぎたり、観光地、都会すぎる場所は『ご近所をポタリングする』という漫画の趣旨からいうと、読者の共感を得られないかなと思いました。『何にもないような住宅街の中でも“見る角度”を変えればこんなものもあるんだ!』という驚きを出すには、ほどよく都会でほどよく田舎な練馬はちょうどよかったです」(著者・わだぺん。)。

■ 「ねりまタウンサイクル練馬」

練馬駅の近くにある、自転車をレンタルできる「ねりまタウンサイクル練馬」。4時間以内なら100円、24時間で200円とリーズナブルな価格で自転車を借りられる。漫画の中では、練馬のレンタルサイクルの供用台数が都内1位、自転車の色は練馬区のイメージカラーである紫色など、“練馬区あるある”も散りばめられている。

今回は作品が“自転車漫画”だけに、当日の取材は自転車で敢行。区内には、歩道を自転車で走れるよう整備された千川通りのような道路もある。また、取材道中、主婦同士が自転車ですれ違いざまに挨拶を交わす光景を見かけた。

■ 「豊島弁財天」

住宅街の弁天通り商店街にある「豊島弁財天」は、スナックの脇の看板が目印だ。両側のアパートの細い通りを抜けたところに鳥居と社があり、漫画で彩果が頭をぶつけるほど鳥居も社も小さい。

「東京自転車少女。」に出てくるスポットで一番多いのが、寺社や歴史にまつわるスポット。「豊島弁財天」や江古田駅の目の前にある浅間神社など、街の歴史と深く結びついている寺社散策もおすすめだ。

また、漫画では毎年5月に行われる「照姫まつり」の様子が描かれ、5巻では照姫の伝説を描いた“歴史漫画”も楽しめる。

■ 「石神井公園」

そんな照姫と深い関わりがあるのが「石神井公園」。室町時代にこの地を治めていた豊島泰経には娘がおり、雨で不作が続いた時に生まれ、それから快晴に恵まれたことから照姫と名付けられた。豊島泰経に娘がいたかは定かになっていないものの、石神井では照姫の伝説が古くから地元の人に浸透しており、公園には照姫のお墓が残されている。

ボート乗り場の近くには、そんな照姫になれる顔出しパネルもある。漫画では美少女の加藤さんがなぜか周りの人から、「照姫のような美人」、「龍神様」と声をかけられ、この石神井公園でその謎が明らかになる。

石神井公園の特徴は2つの大きな池。ボートが乗れる石神井池と、木々に囲われた自然と史跡などが残る三宝寺池がある。地元民の憩いの場である公園は、池のほとりを走るランナー、ベンチに座ってくつろぐ高齢者、広場で親子がバドミントン、通学帰りに遊ぶ小学生など、生活に密着した光景をそこかしこで見かけた。

■ 「江古田市場通り商店街の大津屋」

部長の松竹梅雪見が「昭和の風情が残っている」と話すのが、江古田駅近くにある「江古田市場通り商店街」。かつては市場があった通りで、現在は住宅を建築中。漫画では最終巻で市場がなくなったことも描かれており、加藤さんが仲間4人で行った「江古田市場通り商店街」の思い出を振り返り、物語はフィナーレを迎える。

その市場にあった店の一つが、創業70年以上を誇る惣菜の「大津屋」。市場があった時代は現在の場所で調理し、市場で販売していた。市場がなくなってからは、今の場所で販売も始めたという。「昭和40年代は、人通りが多くアメ横のように栄えていました」(「大津屋」の店主)。店では黒豆やカボチャ煮などの和惣菜が昔から人気で、取材中も主婦がひっきりなしに訪れ、店の母娘と世間話をしながら買い物をしていた。

「市場がなくなったのは時代の流れですが、商店街として新しい血が入れ替わると前向きに捉えています。江古田はアツイ人が多いですね。7月には盆踊り、9月には氷川神社でお祭りが行われるなど、若い人が中心になって街全体でイベントをやろうと動いています。そんな江古田を愛している人が多いんです」(「大津屋」の店主)。



著者自身が練馬に住んでいることもあり、“見る角度”を変えて作品で表現した「東京自転車少女。」。上記のスポット以外にも、石神井川の桜の辻、23区唯一の牧場、地元グルメの武蔵野うどんなど、練馬区の多彩な魅力が描かれている。

「先にもお話しましたが、この『適度な田舎感』は、練馬の最大の魅力だと感じています。23区の中では正直ブランド力の低い区だと思うのですが、これは決して悪口じゃなく、日々戦っているビジネスパーソンにとって練馬の牧歌的オーラは、そのささくれ立った心を癒してくれます。都心へのアクセスも考えれば練馬ほど住むに適した区はないでしょう。ブランド力は低くとも、『住民幸福度』は23区No.1だと思います!」(著者・わだぺん。)。

まずはレンタルサイクルの自転車に乗って“見る角度”を変え、住民幸福度No.1の練馬をポタリングしてみては?【東京ウォーカー】

第16弾は7月下旬配信予定

最終更新:7/9(土) 10:00

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