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藤浪161球課した金本采配が米メディアで話題。「メジャーリーグなら即座に『クレイジー』」

ベースボールチャンネル 7/10(日) 11:30配信

指揮官の願いとは裏腹に賛否両論

 阪神・金本知憲監督の采配が大きな波紋を呼んでいる。8日の広島戦(甲子園)で先発したエース・藤浪晋太郎投手が8回7安打8失点で今季5敗目。161球を投げたエースについて試合後の指揮官がメディアに対し「今日は何球投げようが、何点取られようが最後まで投げさせるつもりだった」「ストライクが入らず、取りに行って打たれて…一体何度目なのか。何も変わってない」「(エースとしての)責任は感じてほしいね。感じないといけないと思う」などと発言したことで、その采配について賛否両論飛び交っている。

 確かに異様な光景だった。
 藤浪は初回に2つの四球が絡んで3失点。この自滅モードに怒りを覚えた金本監督はエースの自覚を促す意味で、3点差に追い上げていた7回の第3打席でも藤浪に代打を送らなかった。この時点ですでに球数が130球を超えていた藤浪の投球は明らかに本来の姿ではなく、その直後の8回にも再び崩れて致命的な3失点。指揮官がハッキリと前出のように明言した通り、藤浪は最後まで投げさせられた。

 実はこの金本采配に関して、ひっそりと海の向こう側でも米スポーツ専門局の『ESPN』が着目していた。8日(日本時間9日)の深夜に放送された情報番組「スポーツセンター」の中で、日本プロ野球において波紋を呼んだ「ホット・トピックス」として取り上げられたのである。

 この放送では時間にしてわずか2分程度の短い内容だったが、番組アンカーは次のように意味深なことを口にしていた。

この采配がチームにプラスかマイナスか?

「日本の人気球団のタイガースで若いエース級の先発投手が大量失点しているにも関わらず、161球も投げた。この決断を下した監督は現役時代にカル・リプケン(元メジャーリーガー)を抜いて連続試合全イニング出場(1492試合)の世界記録を持つ金本。投手に対し、自らの現役時のような強い気持ちを注入する意味で断行した彼の采配は是が非か。これはメジャーリーグであれば、即座に『クレイジー』とみなされるだろう。日本では昔から練習でも試合でも、多くの球数を投げることが比較的に許される『ナゲコミ(投げ込み)』という文化があったが、近年はそれが崩壊しつつあるようだ。事実、日本ではこの采配に多くの批判が集まっている」

 同局の指摘は一理ある。

 近年の日本プロ野球も「先発投手は100球交代」が通例となっているメジャーリーグのようにシステマチックな形になりつつある。加えてファンの目も肥え、かなりシビアになった。

 だからこそ目の前の試合に勝つことを常に求めているわけで白星を奪える可能性があるならば、それを放棄してまで選手の精神教育に重きを置いて欲しいとも思っていない。この金本采配に多方面からアレルギー反応が出たのは、そういう今の時代背景があることを考えれば当然だ。

 さて、当の藤浪や他の主力選手たち、そしてコーチ陣を含めたチーム関係者たちはどう感じたのか。もちろん、彼らが監督の采配について赤裸々に本音を口にすることはまずあるまい。ただし今後のチームの戦いぶりからプラス、マイナスのどちらに働いたのかは方向性が見えてくるはずだ。

 ちなみに翌9日、最下位にあえぐチームは甲子園で首位・広島に1―7で呆気なく大敗。これで借金は今季最大の11にまで膨らんでしまった。 

 金本監督の目指す「超変革」は現在のところ、大きく難航している。


臼北信行

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:7/10(日) 13:59

ベースボールチャンネル

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